第3話 気負いすぎていませんか?

 体調でも集中力の問題でもないとすると、過剰な気負いが原因かもしれません。


「絶対に面白いものを書く!」みたいに考えているのに、自分の作品レベルが追いついていないと感じてしまって、書いては消して書いては消して進まない。

 それが焦りを助長し、ますます進めなくなっていく……。


 そんな負のスパイラルに陥っておりませんか?


 だとしたら、以下のような対処法はいかがでしょう?




【まあいいやの精神で挑む!】


 目標値を下げちゃいましょう。


 いきなり理想の完成度の作品なんて、プロだって書けやしません。


 むしろプロこそ、低い目標から始めて、徐々に完成度を高めていっています。

(少なくとも私の師匠や、他にお目にかかったプロの方々はそうでした)


 みなさんご自分に厳しくせず、もっと優しくしちゃいましょう。


 例えば、1話分を書き上げるのなら、まずは気楽に書けるセリフだけ。

 次に、最低限の地の文を付け加えて。

 最後に、地の文を膨らませたり、重要なセリフを加えたりと、諸々を修正する。


 といったように、小さな目標を積み重ねていく感じです。

 いきなり大きな事をしようとするより、精神的なハードルは低いですね?

 ハードルは低ければ低いほど、気負わずに済むので、書き進められるはずです。



 創作活動は、学校のテストとは違います。


 第一稿が赤点でも、何度でも手直しして良いのです。

 第二稿、第三稿と重ねて、完成稿になれば良いのです。


 いきなり高い目標に挑んで第一稿も完成できないよりは、赤点のほうがマシです。

 低いハードルから挑んでいけば、いつの間にか目標を達成できていることでしょう。





【その気負いは、必要ないのでは?】


 そもそも気負ってしまう原因として、他の方が書いた面白い作品を見たり、読んでしまったりというものがあるでしょう。


 良質な作品を見たあとは、自分が書いている作品がひどくつまらなく見える。


 創作活動をしている方ならば、一度は経験があるのではないでしょうか?

 気持ちはとても良くわかります。

 ですが、だからといって気負う必要などありません。


 あなたの作品と、あなたが見た作品で求められているものは、大抵違うからです。


 あなたの作品には、あなたの個性があります。

 あなたの作品の読者が求めているものは、そこにあります。


 気負った結果、他作の要素を自作に取り込もうとしても無理が出ますし、上手く取り込めても読者が求めていない可能性もあります。


 そうなると負のスパイラルの始まりです。良作の記憶は、一旦置いておきましょう。


 大切なのは、ご自分の作品が、なにをもって読者を楽しませていたのかという点です。


 それを忘れず、そこに注力すれば良いのです。




 ……自作がなにをもって読者を楽しませていたか、わからない?


 でしたら、スランプになる前の、書き始めた頃の自分を信じましょう。

 書き始めたときには、頭の中には「ここが面白い!」という要素があったはずです。


 それを表現すれば良いのです。




 え? それすらない?

 それでも大丈夫です。


 スランプになる、ということはすでにある程度は書いているはず。

 これまで書いたものを見返してみて、読者の反応が良かった部分や、自分が「面白い」「これが売りだな」と思える要素を探してください。


 見つけられたなら、そこが注力すべきポイントです。





 見つからない?


 そんなわけありません。見つけてください。

 大丈夫。ハードルは低くて良いのです。






 気負ってなどいないのに書けない、という場合は技術的なアプローチが必要かもしれません。

 その辺りは次回、お話いたします。




------------------------------------------------------------------------------------------------





このマニュアルを書いている内田ヨシキは、以下の作品も書いております。

よろしければこちらも、応援くださいませ!


「S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります」

( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る