第4話 地球で魔法

〜また夜寝る前に来ると約束し、一旦晩御飯食べに家に帰ったタクミ〜


はぁー疲れた。楽しかったけど。

なんだか、ものすごい時間あっちにいたみたいな気分…


「タクミー!」

〜少しキレ気味の声でママが部屋にやってきた〜

「ご飯、どうすんの?!呼んでも来ないから、わざわざ来てやったけど」


「あっ!ごめん。食べるよ、お腹ペコペコ」

危ない危ない!ギリギリセーフで帰ってきたみたいだ。


「おっ!やった!今日はカレーか。カレーは飲み物!とまでは言わないけど、早く食べてしまえる!」


〜もくもく食べていると、なにやら聞きたそうな顔の妹ユウが話しかけてきた〜


「ねぇねぇ、お兄ちゃん」

「さっきさぁ、お兄ちゃんって部屋にずっといた?」


えっ?それはどういうことだろう…

「おっ!おう!いたぞ。ずっと部屋に」

まさか部屋に来たのか?


〜おもっきり焦りながらのタクミと、不思議そうな顔のユウ〜


「さっきご飯できる前に、お兄ちゃんの部屋行ってノックしても声しないから入ってみたんだけど

お兄ちゃんいなかったよ」


げげっ!まさか部屋に来てたとは!

「………ざーんねーん!隠れてた!」

がんばれっ!嘘の下手な俺!


「ふーん…どこに?そんなに隠れるとこなんてないけど」


〜不思議そうな顔のまま妹の質問は続く〜


「んっーと、クローゼットの中」


「クローゼット開いてたけど」

〜冷静な表情で答えるユウ〜


どうせ外側から見ただけだろうし…

「甘いな!クローゼットは奥が深いのだ!」

って、よくよく考えると、ある意味間違ってない答えになってる。


「ふーん、まぁいっか」

〜不満そうな顔のユウだけど、長い話しのやり取りは好きじゃないので助かった。ホッと肩を撫で下ろすタクミ〜


「ごちそうさまでした」

〜ご飯を食べ終わり、怪しまれないよう、いかにも今から勉強するぞというオーラを出しながら部屋へと向かう〜


「さて、まずはこっちで魔法が使えるのか確かめなきゃな」

「地球には魔素がないって言ってたけど、使ったら消費したままってことなんだろうな。んー、どれくらい残ってるかとか知る方法があればいいんだけど」


〜腕組みながら考え込む。なぜならゲートの魔法を使う魔素が残ってるのかも分からないのだ〜


「そうだ!異世界漫画でよくあるステータスオープンをしてみよう!もしかしたら、もしかするかも」

んーと、想像するのってステータス表示でいいのかな。とりあえず、やってみるしかないな。


「ステータスオープン!」


………しーん………何も出ない………


やっぱ無理か。そもそもステータスってあるのか無いのかも分からないし。後で、リオルに聞いてみよ!


「気を取り直して、地球で魔法を使えるかに戻ろう」

「あっちで使ってみたファイアボールは家の中で使うには危ないからな。水かな?でも部屋が水浸しはやだな。あっそうだ!水の玉にして、外に投げればいっか」


〜独り言も終わり、水の玉で落ち着き、ようやく試す時が来たようだ〜


水の玉なら想像するのも簡単だし。集中。集中。

よし!整いました!

「ウォーターボール!」


〜タクミの手のひらの上には、野球ボールくらいの大きさの水の玉が浮かび上がった〜


「できたー!こっちで魔法使えるぞ!」

「やばい!俺すげーやつ!」


「いや〜友達に自慢したいけどな〜

いろいろと大変なことになるよな〜」


〜ゆらゆら揺れている水の玉を見ながら、満面の笑みを浮かべている〜


「お兄ちゃん、何やってんの?」


「えっ…?」

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異世界ではない異世界 @yoshi-555-

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