「短編一気に読んじゃいましたよーほんとほんと楽しいねー! 愛しい愛しい世界でありました!」
こんな一文を真っ先に作者様に送りました。
本当はカッコ付けたいのです。少し親しくなるとアホの子丸出しで、生まれた気持ちほやほやのまま、駆け出して、ハイ!って渡したい。
登場人物は視点者である、大学生の駆(かける)。自ら人と波長の合わなさを感じ、生きづらいと思ってる。そして同じ大学の恋人早苗。彼女は自分の溢れ出る想像の世界を構築し、楽しく生き生きとしています。彼は彼女の独特な電波を鮮明に受信したようです。相思相愛の素敵なきゅんとくる、日々の愛情物語を作者様は覗かせてくれます。
こちらの作者様は幻想的で麗しい詩や短歌も詠われています。
そのせいか短編小説は、たくさんの美しいシーン、絶妙な言葉の写真集に、ト書がつき、肉がつき、そして動きだして動画になるといった感じです。
物語ではありますが、物語屋然として作られた感じではなく、ほとばしるフレッシュな感性で紡がれたお話。皆さまもぜひご賞味あれ。