第115話 米国の高校2、留学中に取ったコースの印象。

前回に続き、私の米国高校留学体験談。受けたのは、数学、物理、化学、英語に米国歴史。この中で、私の留学先は、田舎町で弱小学区だったため、数学は微積分はなしで、ベクトルや行列に、三角関数とか少し難しい代数とかで、微積分をこなしていた私には、数学英語のボキャブラリーを得たこと以外、余り意味はなかった。化学も日本の高校のレベルよりもかなり低く、難しい化学式のバランスは先生ができなかったので、私がよく回答を黒板に書いていた。これを初めてやった後、私は天才だという評判が学校中に広まった。自宅で、生徒たちの母親の多くをお客さんとして、美容師として働いていたホストファミリーの母にもこれが伝わり、フミヤはそんなに頭が良いのなら、いつも勉強している必要はないではないかと聞かれた。天才なんだから、勉強する必要はないのだと。部屋にこもって勉強している時間が長すぎて病気になるのではないかと本気で心配してくれた。日本の教育熱心なお母様たちに聞かせてあげたかったです。物理に関しては、先生が化学専攻だったので、物理は教えられないので、自分で教科書を読んで、テスト受けるという制度になっていた。化学式のバランスが取れない先生と同じ人だった。この人が本当に化学専攻だったのかと疑った。後で知ったが、教育学部の化学がマイナー(副専攻)という、教えるだけの化学を学ぶコースを取っていたらしいく、本当の化学を専攻してはいなかった。それでも、大学出てもこのレベルかと驚いた。物理でも、先生の持っているテストの答えが何度か間違っていたので、最初はそれを納得させるのに苦労したが、二回目から、私を信用してくれた。その先生、私の指摘した教科書についてくるテストの解答が間違っていると、出版社に苦情の手紙を書き、お礼をもらったので昼飯を奢ってくれた(笑)。そういうわけで、留学中の理数系の進歩は少なかった。田舎の学区でなかったら、大学レベルの数学を教えていた高校もあったのだと後で知った。そして、そういうコースのない高校からは、近くの短大で学べるのだった。留学生だった私にはできないことだったが、上を目指そうと思う生徒に与えらる環境があったのだったのだ。


逆に、英語はできないので、一番レベルの低いクラスへ入れられた。中三くらいの年齢の生徒と一緒のクラスで、大学進学を目指していない生徒たちが主な受講者だった。おかげで、まあ、簡単なワードパズルとか遊びみたいなことをして過ごしていた。教科書は、少年・少女雑誌がおおかった。少しボキャブラリーは増えたし、他の生徒との無駄話(これに若い女の先生が乗ってくる)で英会話は上達したと思う。ちなみに、この先生、私が進学することになる大学の卒業生で、後に、同じ大学の教育学部へ入った妻の大先輩だったということになる。何年か後に、まだ私が結婚する前に出会って、同じ大学の物理工学科に進学したと伝えると、なんか難しそうなものを勉強しているのねとか言われた。そして、この先生の1番知りたかったのは、キャンパスの繁華街にあるマクドナルドはまだあるかだった。在学中、ずっとそこでバイトしていてので知りたかったらしい。正直、米国の教育学部専攻の生徒は、日本の教育学部の生徒よりもレベルがかなり低かった(妻にこれを言うと、彼女も同感すると言いながら、私はぶっ飛ばされるのだが)。


しかし、米国歴史のクラスは、私に取って衝撃的な事実を知る体験になる。次回へ続く。

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