第113話 The Weight イージーライダー挿入曲に思い起こしたこと。

このバンド、The Bandと言う、ボブ・ディランと一緒にツアーをやった事もあるし、他のロック界の大物と共演する事も多かった。週末、寝ている間に、この曲の初めにある、Nazarethが歌詞にある最初の部分が頭に流れていたのだが、曲名が思え出せなく、ネットで検索した。(Nazarethとは、日本語ではナザレという地名らしく、イエス・キリストの育った地とされている。キリストの生まれはベツレヘム。この歌詞に出てくるのは明らかに、米国ペンシルベニア州あるこれにちなんだ街。)すると、このビデオに出くわした。このビデオに使われている写真の車は、年代はやや違うが、私が米国で初めて買った車とほぼ同車種だった。この車で、妊娠中の妻を乗せて雨の中走行中に、事故にあった。高校生が運転する車が、前方不注意で、目の前に飛び出して来たのだった。私達には大した怪我もなく、足にアザができた程度だったし、2ヶ月後、息子も無事産まれた。高校生も無事だった。


https://www.youtube.com/watch?v=4QHEANxWWX8


この曲は、映画「イージーライダー」の挿入曲でもある。カリフォルニア州から、東に向けて走るハーレーが西部劇に良く出てくる背景を走るシーンに使われている。


このバンドは、カナダ人四人に、アメリカ人一人のメンバーで構成されていた、大物ゲスト満載の最後の解散コンサートをドキュメンタリー映画化した「ラスト・ワルツ」も有名だが、米国では、南北戦争を話題とした曲、The Night They Drove Old Dixie Downと言う曲でも有名だ。


https://aanii.net/the-night-they-drove-old-dixie-down/


米国に来る前、南北戦争は、日本の社会科でも習ったし、リンカーンのゲティスバーグ演説も偉大なスピーチとして知っていた。この戦争の根底にあった奴隷制度が廃止されても、未だ人種差別は残っていたとも知っていた、最初に渡米する時は、正直、南部の州には行きたくなかった。同期で留学した生徒に、そんな州に送られた者は知らないので、南部の州でのホームステイは避けられていたのかもしれない。後に、服部君射殺事件があったのは、南部のルイジアナ州だったのだが、彼は私のお世話になった留学制度とは別の制度で渡っていたと思う。


そんな私だったが、結婚したのは、南部出身の妻だった。親族は皆、バリバリの南部人だった。偏見を持った彼女の親族に疎遠にされるかと思っていたが、全く逆の扱いを受けた。黒人に対しては偏見があり、差別的な発言もある親戚も多くいたが、日本人である私は宇宙人扱いだったと、私は思っている。これは、妻の伯母と叔父を除いて、日系人にも出会う事もなく、日本とは無縁だったから、偏見を持つ事もなかったからだと思う。今では、米国南部(南北戦争)と、日本(第二次世界大戦)は、米国軍に対しての敗戦国として似たようなところが多くあるとも思っている(全く似ていないことも多いが)。

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