第99話 夫、カウンセラーに叱られる。

(注)今回の書き込みで、皆様の私の評価がかなり下がると思います。とんでもない野郎だったと、妻の見方の方達が増えると思います。


妻は自分自身の悩みと私との結婚についての悩みを短大のカウンセラーに相談し始めた。そこで、半分の問題の源である私に、カウンセリングのセッションに出てこいと言われた。彼女の家族による問題よりも、夫の私をとっちめる方が簡単だと、カウンセラーは思ったのではないかと察している。


カウンセリングについて行ってみると、私への苦情が並べられた。その中で、私はなんでも議論しすぎるという話が出てきた。どうも、大学院で研究していると、何かにつけて討論気味になってしまうからだと思う。自分で自分の決断に疑問を持って、再考察することもあるというと、カウンセラーは、なぜなんでも討論になってしまうのかと聞いてきた。それは、当たり前のことではないのかと、私からの質問になった。そこで、色々と話しているうちに、カウンセラーが少し切れて、それでは、窓の素音を見て、今日は晴れているかどうかと私に聞いてきた。私の答えは、屁yから見る景色だけでは決定できないだった。その理由を聞かれ、1)晴れの定義はなにか?太陽が見えて、50%以下の空が雲で覆われていれば晴れか?この値を示してもらえないと晴れかどうかは決められないと。2)このカウンセラーのオフィスは建物を側面の一つ側しか見えなので、空の半分以下しか見えていないから、そんな状況で、晴れかどうかは100%決定はできない。というのが私の返事だった。これを聞いて、カウンセラーは、100%妻に同情すると言った。(ちなみに、日本の気象庁は、雲が空を8割覆っていても晴れとするらしい。そうなると、建物のせいで空が半分見えなくても、見える空に雲が6割以下の場合は、晴れとなる。https://www.data.jma.go.jp/yokohama/shosai/03-about/02-annai/01-qa.html)


もう一つ、別のカウンセラーが薦めて受けた性格試験のようなもので、妻と私の性格は丸反対だという結果が出た。妻は、主に感情的に物事を決めるらしかった。私は、逆に論理的な考え方を持っていたと言われた。論理的思考力はこのカウンセラーの知る限り、最も偏ったスコアを出したと言われた。そして、夫婦として、これだけ離れた性格を持つカップルは見たことがないとも言われた。そして、この結果を聞いて、私は、「よっしゃ、最高値だ!」と思ったが、妻は、かなり落胆したらしかった。これはカリフォルニアへ引っ越してから、妻がカウンセリングを受け始めた新しいカウンセラーの基での出来事だった。正直、よくこの二人が結婚して、今まで離婚もせずにいられたのが不思議なくらいだとか言われた。世間を常識でアプローチするカウンセラー達に、それは論理的な筋がとっていないとか反論する夫は、カウンセリングには邪魔だっただろう。


今になって思えば、この様なカウンセリングを妻が受けていたのだから、もっと早くから親身になって協力してやれば良かったと思う。自分は正しいと証明するのが重要な私だったが、実はそれはある意味で私の未熟さを示していたのだと思う。高度の論理的思考力を持ちながら、思いやりが足りない男なんて、気の狂った科学者と余り変わらない。妻から愛想を尽かされて、離婚されなかったのは本当に幸運だったと思う。いや、愛想は尽かされていると思うが、実は、いつの間にか、我が家の男たちは劣勢に追いやられている。あんなにか弱い女性(?)を演じていた妻が、家を仕切り出してしまう。


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