第82話 イスラエル対ハマス(パレスチナ)
米国の多くの大学で、イスラエルに対する抗議デモが起こっている。これについて、いくつか思うことがある。まずは、米国の市民権(または永住権)を持っていないイスラム教の学生たちは、反イスラエルの思想を持っていても、抗議活動には参加しない。抗議して逮捕でもされたら、送り帰されるのも心配だし、後々、永住権や新民権申請の時に逮捕歴が残るのはまずいからかもしれない。抗議しているのは、主に、米国生まれの2世や3世のイスラム教徒と賛同者だと思う。賛同者は、米国人学生(主に白人のキリスト教徒だが、他にアジア系や黒人、中にはユダヤ系の学生もいる)が協力している。学生たちに加え、大学に関係のない者も多くいる。大学キャンパスに設置された抗議のキャンプ地を解放しに、大学当局に依頼を受けた警察の機動隊が来ると、大学とは無関係の連中も数多く逮捕される。日本でいえば、70年代の学生運動の居残り組が今でもいる様に、こちらにも、反政府活動を活発に行なっているグループもある。まあ、こいつらが、抗議運動のやり方を素人の学生たちに伝授してるらしい。
そして、プロ・イスラエルというグループもいて、反イスラエルのグループとぶつかったりしているキャンパスもある。このカウンターデモンストレーターと呼ばれる連中にも色々ある。ユダヤ人が武装して自分達を守る団体、Jewish Defense League(JDL)という団体も昔からあった。そして、プロ・イスラエルの団体の中でも、JDLの反対の位置にあるのが、キリスト教福音派のグループで、大体彼らはトランプ派であるので、大学では少数派なのだが、こちらにも外部の協力者もいる。キリスト福音派というのは、大体、イスラエルには肯定的であるのだが、素になっているのは、中近東で大戦争が起こり、この戦争が、人間(世界政府)と神との戦い(ハルマゲドン)に発展するという信仰に基づいていて、これが起こると、彼らが最も待ち望んでいるイエスの再来(再臨)も起こるのだとか。結局はイスラエルはこの戦いで、ボロボロになるのに(犠牲になると言っても良いかと?)。けっして、イスラエルの末長い発展を願っている人たちではないというのは確か。そのハルマゲドンがいつ来るかは聖書学者の間でも、まとまった見解はないのは勿論なのである。
最近増えたナイジェリアからの留学生達。イスラム教信者の学生達は、イスラエルに対して怒っているが、クリスチャンの学生達は、イスラエルが最初に攻撃されたのだからと、どちらかと言うと、イスラエルを支持している。因みに、前者達は、ハマスのテロ攻撃の際には、何も抗議等はしてはいなかった。
我が家では、妻は、最近はもう反イスラエルである(最初はハマスの攻撃の為、イスラエルを支持していたが)。現在では、多くのイノセントな人々がイスラエル軍によって殺されていると、体が元気なら、私の勤めている大学の卒業式に、ひとりで殴り込みをかけそうな意気込みなのが怖い(まあ私も手伝う様に命令してくるだろうが)。逆に、私は、反ハマス(反パレスチアではない)なので、今の現状はしょうがないかとも思っている。ハマスも、あんなことをやれば、こうなるとはわかっていたはずで、決行したのだと言うのが私の頭の中にある。ハマスではないパレスチナ人達は、ハマスに犠牲にされたと、私は理解している。それも承知の上で。多くのパレスチナ人は、あの引き金になったテロ攻撃を支持している。勿論、全員ではない。近隣のエジプトやヨルダンも、難民を受け入れると、ハマスが国内に入ってしまう事を恐れていると思う。イスラエル軍はやり過ぎなところもあるのは確かだ。
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