第72話 歴史は繰り返される。

この話は、以前書いた話題と重なるかもしれませんので、申し訳ありません。


昨日、息子からFacebookで知らせが届いた。孫を連れて、アジアン マーケットで買い物をしに行ったら、会計のおばちゃんと息子との間に、こんな会話があったと伝えてきた。


おばちゃん: ”Cute baby.” 「可愛い赤ちゃんだね」

息子: “Thank you!” 「ありがとう」

おばちゃん: “Boy or girl?” 「男の子?女の子?」

息子: “He is a boy.” 「男の子です」


何故これが面白いかと言うと、息子が幼い頃(3歳くらいだったか?)住んでいた大学の既婚者用のアパートの管理部主催のバス旅行に行った時の逸話のお陰だった。私達家族(息子、妻、私)の座った席の前には、台湾人の男児と守りのおばあちゃんが座っていた。きっと、両親はどちらも大学院生で、おばあちゃんが子守に一緒に住んでいたのだろう。外国人留学生カップルの間では、3ヶ月間の観光ビザで、夫婦両側の祖母が入れ替わり子守にくるケースもあったので、不思議ではなかった。その男の子が退屈になったのか、席に立って、私達を見てきたので、妻が話しかけた。すると、その男の子は恥ずかしいのか、席に座って姿を消してしまった。すぐに、同じ事を繰り返し始めたが、妻は優しく話しかけていた。この子は、英語が未だよく分かっていなかったのかも知れなかった。そこで、一緒にいた祖母も、孫のやっている事に気づいていて、われわれに話しかけてきた。英語はまあできる方だった。そん頃の妻は、外国人に英語を教えるボランティアをしていて、今とは違って、根気よく対応していた(笑)。そして、このおばあちゃんは、息子へ話しかけてきた。二人の会話はこんな簡単なものだった。


おばあちゃん: “You are cute.” 「君は可愛いね。」

おばあちゃん: “Are you boy or girl?” 「君は男の子、それとも女の子?」

息子: “I’m a boy, of course!” 明らかに苛ついた返事で、「勿論、男の子だ!」

息子:“Are you boy or girl?” 子供のくせに、大人を少し馬鹿にいた口調で、生意気にも、「あんたは男の子、それとも女の子?」と聞き返す。


私と妻は、思わず息子を見て、絶句!しかし、大人に向けて、その様な生意気な会話をする幼児がいるとは思ってもいなかったのか、それとも意味が伝わらなかったのか、おばあちゃんは、笑ったまま、私達と会話を続けた。妻は、小さな声で、むすこに、”Hey, cut it out!”と囁いた。それ以降は、大した失言もなく、目的地に着いた。無事に子供博物館へのバス旅行を楽しんだ我々は、無事に帰宅した。息子は、時々女の子に間違われるので、頭に来ていたのだと思う。その夜、同じアパートに住む友人達(皆子持ち)に、この話をして、みんなが笑って終わりとなった。息子がこんなだったのは、大学のキャンパスと大学の街にあった環境と私の教育方針のせいではあったと思う。この「事件」も、後に、思い出しては、私と息子は笑い、妻も笑いながら、私達を睨んで、首を横に降る思い出の一つになっている。


この後も、息子は、無礼講並みの発言を繰り返しながら成長していったが、中学生くらいになると、妻よりも、周りを見極める事ができる様になった。妻は、日本で言う、「天然」気味である。今度は、孫のせいで、息子が絶句する時が来るのであろう。息子よ、ざまあ見ろ!(これも、息子がやんちゃした時に、私が父に言われたのと同じセリフだったかもしれない)



ルーマニアで育った私の上司も、近所のおばあちゃんに、男の子か女の子か聞かれて、怒りが頂点に達し、着ていたズボンを引っ張り下ろして、自分の極部を露出させてしまった逸話も、以前書いたと思う。

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