第49話 新外国人は、放送禁止用語を習う

F1 ドライバーの角田裕毅が、映画を見て英語を学んでいたため、F1チームの面接で、放送禁止用語を何度もぶちまけてしまったと言う話が、Yahooに載っていた。

https://news.yahoo.co.jp/articles/a110e7059bfe72454593f4d0f871eefb4da0d19a


これを読んで思い出すことがいくつかある。


米国にやってくると、必ずしも、放送禁止用語を教えられる。私も例に漏れず、高校で、他の生徒から色々教えられた。そして、それをホストファミリーに帰ってから言い放って、ホストマザーに叱られたことが何度かあった。


逆に、サッカーの試合で、スクールバスに2時間ほど乗って着いた対戦相手の高校の近くで、隣に座っていたチームメイトから、日本語ではゲイのことはどう呼ぶのかと聞かれた。その頃は、ゲイよりも良く使われていた、「オカマ」と言う言葉を教えた。すると、そのチームメイトは、スクールバスの窓を開けて、「オカマ!」、「オカマ!」と叫んだ。彼が、他のチームメンバーにも何か言った後、半数が同じように窓を開けて、「オカマ!、オカマ!」と叫び出した。外を見ると、対戦相手の高校のユニフォームを着たアジア系の高校生が2−3人いた。日系ではなく、東南アジア系に見えた(きっとフィリピン)。私のチームメイト達は、彼らを侮辱するために、「オカマ!、オカマ!」と大声で叫んでいたのだった。もしも相手の選手に日本人がいたら、どうなったかと恥ずかしい思いをした。


その後、この私が留学生として滞在していた町で一番有名な日本語は「オカマ」でした。


もう一つの話は、私が英語の発音で、「h」の重要性を学んだ一話がある。私のホストファミリーには、高校3年生と2年生の息子が二人と、中学生の娘が一人いた。娘は時々、両親の友人の幼い子供達のベイビーシティング(子守り)をしていた。米国では、両親がデートに行くために、中学生か高校生を子守りとして雇うのである。女子大生だったりもする。ある日、そのホストファミリーの妹がベイビーシティングをした翌日、学校の図書室で、友人と話をしていた私に、誰かが、昨夜は、そのホストシスターが何をしていたか聞いて来た。私は、She was baby shitting.と発音てしまった。shittingはshitの現在進行形で、「ウ○コをしている。」と言う意味になる(赤ちゃんのようなウ○コをしている。)。本当は、She was baby sitting.とhなしで発音するのだが、その辺を、私は、理解していなった。それを聞いた周りの生徒達は、大声で笑いだした。図書室の先生が叱りにきて、ようやく皆静かになった。私は、まだ理解していなかったので、家に帰って聞いてみた。すると、ホストマザーは、それは、この家では使ってはいけない言葉だと言った。息子の一人が幼い頃に使い始めて、やめなかったおで、次にやったら、石鹸で口を洗うと警告していたが、使ってしまったので、本当に石鹸を口に突っ込んだそうだっった。私も同じことになるよと警告された。しかし、私はshitが正確にどう言う意味の言葉か知らなかったので、なぜ使っていけないのかと聞いた。すると、ホストマザーは、shitを使わずに説明しようとした。ホストマザーはノルウエーからの移民で、少しアクセントもあり、英語のボキャブラリーもそれ程多い人ではなかった。そのホストマザーは、これは、Sewerに流れ込む汚いものだと言って説明した。しかし、私は、Sewerが下水だと知らなっかたので、今度はSewerとは何かと聞きだした。すると、困ったホストマザーは色々と説明しようとして、ついに、「そこは、shitのような汚いものが流れ込むところ」だと言ってしまった。私との会話で、つい禁語を使ってしまったのだ。それを聞いていた子供達は、爆笑していた。そして、石鹸を持ってこようとか言って母親を揶揄い始めた。今でも、ホストファミリーに会うと、この私が放ったbaby shittingの話が出てくる。

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