第41話 息子の口が悪いのは親(父)のせい(短編)

前回、幼い息子が祖父に向けて、父親である私の名前のスペルがF●ckerだと綴ってしまった話を書いたが(ここで●にはuが入る)、実は、その前に、この最悪の単語に関んして、もう一つ事件があった。それは、息子が4歳のころのある日、母親である妻が小さなレストランでウエイトレスのバイトをしていた間、私は息子を連れて映画を見に行った。その映画は、アーノルド・シュワルツェネッガー主演の「ターミネイター」だった。実はR指定だった。これは18禁と似たような指定なのだ。R指は、保護者同伴なら見ても良いことになっていたが、これに幼い子供を連れて行く親は少なかった(未成年禁止はX指定で、ほぼ全てがポルノ映画で普通の映画館では上映されない)。この映画に行ったことは、ママには秘密のはずで、ママには言うなよといってあった。妻を迎えに行くと、延長で、1時間長く働くことになっていたので、レストランの空いた席で待っていた。少し暇になった妻がやってきて、「今日は、ダディーと一緒に映画を見に行ったの?」と聞いて来たので、息子は「YES」と答えた。更に、妻が「どうだった?」と聞くと、息子はそれに、アーノルド・シュワルツェネッガーのアクセントぉ真似て「Vuck you a$$hole!」と返事をしてしまった。これは、映画の中でアーノルド・シュワルツェネッガー扮するロボット/アンドロイドが、モーテルのマネージャーの質問に対して、答えるドイツ語訛りの英語で有名になった台詞だった。最初の単語はFなのだが、オーストリア人のアーノルド・シュワルツェネッガーの発音ではVなのだ。(ちなみに$$にはssをいれる。)これを、周りに客がいるところで、4歳児が行ってしまったので、妻は、狼狽えた。もちろん、その後、仕事を終えた妻に、4歳児をそんな映画に連れて行ったことを、私はこっぴどく叱られた。


日本では、「I'll be back(アイルビーバック)」が有名だが、米国ではこの「Vuck you a$$hole!」も有名だ。私は、ロボットが、問いかけに関して、色々と出る案の中でこれを選んで返答するシーンは名場面だと思っている。

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