第37話 カウボーイ・ウエスタン映画で思っていたこと
その昔、日本のテレビでも、多くのハリウッドで作成されたカウボーイ・ウエスタンと言われる映画をよく放映していた。いわゆる西部劇というジャンルだ。「荒野の七人」(ストリーは黒沢映画のパクリ)、「シェーン」、「駅馬者」、「真昼の決闘」等の他に、クリント・イーストウッドで人気が出たマカロニウエスタン(英語ではスパゲッティウエスタン)の数作も含める作品が頭に浮かぶ。テレビのシリーズでも、「ローンレンジャー」、「ララミー」、「ボナンザ」等々、数多くが放送されていた。そして、「ローハイド」はその中でも一番人気ではなかっただろうか?「ローハイド」ではクリント・イーストウッドの演じるラウディ・イェーツよりもカッコよかったのは、エリック・フレミングの演じるギル・フェイヴァー隊長だった。そして、コックのウィッシュボン(ポール・ブラインガー)も人気者だったと思う。これらの作品のヒーローであるカウボーイ達は、必ず銃を持っていた。私の同年代の少年たちの多くは、銃とカウボーイに憧れていたと思う。祭りの出店では、拳銃のおもちゃと、カウボーイ系の衣装が多く売られていた。私は祭りでは、毎回、新しいおもちゃの火薬銃を買ってもらえるものと思っていた。その頃はどこでも売っていたテープ状の火薬で大きな音を出す火薬銃、今はもう売っていないのだろうか?その頃、このテープ状の火薬を集めて、石とかで叩いてもう少し規模の大きい爆発を楽しんでいた子供は多かった。
確かに、西部劇がカッコ良いと思っていた私だったが、一つだけ、納得できないことがあった。それは、西部劇で時々出てくる、嵐の場面だった。その頃の私には、嵐といえば、夏の夕立くらい程度のものしか想像はできなかった。あのタフなカウボーイたちが、嵐が来そうだと、空を見上げて心配そうな顔をする。そして、地下壕へ避難してしまう。台風なら仕方がないが、その嵐は、比較的早く過ぎるので、私にとってはまさに夕立だった。この夕立が怖いカウボーイの疑惑は、私が高校生になって、留学して初めて、大陸性の嵐はとんでもないのがあると知って、やっと解けた。トルネードたるもの、当たったら台風なんて比べ物にならない。そして、我が家も昨日経験した、マイクロバーストも馬鹿にできない。大陸性の嵐はその頃の温暖化前の日本の嵐とは比べ物にならなかった。
そこで、ジョン・ウエイン、ゲーリー・クーパー、クリント・イーストウッド等のカウボーイ達に、ごめんなさいと言いたい。夕立程度の嵐を恐れていたのではなかったのですね?相変わらず、私は早とちりで、勘違いしてました。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます