第20話 訴訟大国米国の話とカクヨム被害者の会はじめませんんか?(冗談です)

米国には全世界の弁護士の2/3が住んでいるため、訴訟がものすごく多い訴訟大国である。先週、カクヨムのおかげで寝られないと書いたが、米国ならこんなんで訴えることを引き受ける弁護士がいても不思議ではないかと思ってしまった。そういう訴えたい人間を探し出す弁護士がいる。こちらでは、アンビュランスチェイサー(Ambulance Chaser)と呼ばれる弁護士達だ。交通事故があると、呼ばれた救急車について来て、被害者に名刺を渡す弁護士のことを言う。これに似たようなことをする弁護士が、時々、米国の映画に出てくる。弁護士が営業している国なのである。


実際に、イラクからの留学生が、最近、信号待ちで追突された後、なぜか弁護士から電話がかかってきて、医者へ行けと言われた(弁護士本人ではなく、弁護士に雇われた人間だろうが)。彼は、保険会社から依頼された弁護士からの電話と勘違いして、その医者に会いに行った。医者に、どこか痛いのかと聞かれ、全く問題はないと答えると、医者が、「君はなぜここに来たの?」と聞かれ、保険会社に言われて来たのだと思っていたと告げたら、帰ってくれと言われたそうだ。この医者は弁護士とぐるになって、事故による負傷に対する保険金が出やすいように診断書を書いているのだろう。


米国には、弁護士が訴訟を起こすための全ての費用を肩代わりしてくれる制度がある。訴訟に負けたら、費用は弁護士持ちで、勝ったら、報償の1/3を弁護士事務所へ支払うのだ。おかげで、弁護士が勝てると思えば、一般人は裁判に必要な経費も、負けた時の費用も心配しないで訴訟が起こせる。悪用すると逆に訴えられることも稀にあるが、米国は名誉毀損がなかなか通らない。


随分前に、マクドナルドのコーヒーが熱すぎて火傷したとして、訴えて勝訴した年寄りがいたのは本当らしい。シャンプーした後の濡れた猫を電子レンジで乾かそうとして猫が爆発してしまい、電子レンジのメーカーを訴えたという話は都市伝説でしかない。


私の実体験としては、その昔、イリノイ州からカリフォルニアへ引っ越した時、米大陸を車で横断した。イリノイから、義母家族が住んでいたジョージア州アトランタを経由して、義兄と義父が住んでいたフロリダ州南部の街まで行き、そこから、ワシントン州まで、北西へ向けて横断した。その後、ワシントン州から、南下して、カリフォルニアへたどり着いた。全部で、大体一ヶ月かかった。


その旅の途中で、ネブラスカ州オマハのバーガーキングで昼食を取ることにした。注文の前に、トイレへ行ったのだが、トイレには、手を乾かすための布製タオルがぐるぐる回る装置(タオルディスペンサー)が設置してあった。

https://www.allposters.com/-sp/Recycling-Towel-Dispenser-Posters_i16432822_.htm?UPI=Q1JQ0LZO1ZLN&AID=96280778&ProductTarget=16432822-Q1JQ0LZO1ZLN&utm_medium=cpc&utm_source=google&utm_campaign=PLA&gclid=CjwKCAjwlJimBhAsEiwA1hrp5kE44UFrTOAZFZ8cL60S0xkyRzszkALIczgAJRl-vo61riRqU5WMJBoC-twQAvD_BwE

こんな感じの装置だった。


この装置に以下のような警告のステッカーが貼ってあった。


「警告:この装置は手を乾かすためのもので、間違った使い方をすると人体に危険を及ぼす可能性がある。特に、首を吊ろうとする、首が折れる可能性があるので、この装置で首吊り自殺をはかってはならない、、、」


これを読んだ私は、何らかのジョークだろうと思って、注文の時に、「面白いステッカーが貼ってあるね。」と店員に話した。すると、店員は、あれはジョークではなく、同じ系列の別の店で、酔っ払った客が、このタオルディスペンサーを使って首吊り自殺をしようとしたが、装置が壁から剥がれ落ち、首の骨にヒビが入ってしまった事件があったと教えてくれた。その後、半身不随で生き延びた自殺未遂者の弁護士が、首を吊っては行けないと言う警告がこの装置には貼ってなかったと、訴えて勝訴してしまったのだそうだ。おかげで、このステッカーが、この地域全てのバーガーキングのタオルディスペンサーには貼ってあったらしい。


米国の政治家の多くは元弁護士なので、弁護士に有利な法律は良くとおると言われている。


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