第5話:もういい、もういい。
西しまこさんの作品(特に西さんち)を読んで、思い出すことが多いのですが、これもその一つです。https://kakuyomu.jp/works/16817330652170961272
日本に住み出した場所は九州で、太宰府天満宮に割と近かった。ある日、母が弟と一緒に遊びに来て、太宰府へ行きたいと言い出した。その頃、中学生だった息子は、学校の見学かなにかで、太宰府は一度訪れていた。妻と私も、外国人妻の会のツアーか何かで訪れていた。母に、なぜ太宰府に行きたいのかと聞くと、太宰府天満宮は学問の神様が祀られているので、息子(母にとっては孫)が頭が良くなる様にお祈りしたいと言った。それを聞いた息子は、「もういい、もういい(自分はもう十分頭がいいので、お祈りしなくても良い)。」と、未だ未熟だった日本語で、母に返した。それを聞いた母が、「ばか!」と言って叩いたのは私の背中だった。「なんで、俺が叩かれなくてはいけないのか!」と思った私を見て、普段は静かな弟が、一言、「誰の子?」と言って笑っていた。息子が何かやらかすと、これが弟の決まり文句だった。
ちなみに、弟の「誰の子?」を一番よく表現する英訳は"Father like son."だと思う。
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