ナルシズム

真似たような、真似ていないような

真似ていないような、真似ているような。

広がった胃に、赤缶を流し込む。


この赤缶が好き.と教わった。

「ぺ」と飲み比べをした。

確かに赤缶の方が美味い.と感じた。

以来、多少の気まぐれはあれど、、

この赤缶を飲み続けている。


「檸檬」の短編に通ずるものは、なにか。

「天啓」に惹かれたのは、なぜか。


「熊楠の神」を中々、読み進めれなくても、、

「話芸一代」は、書店で開いた1ページで、、

確実に今も心を掴まれたままだ。

つまり、まだ買っていないっちゅう事やけど。


(..なんかこれ、油っこいな...)


なんか、机に向かって書いているような。

一人で没頭しているような人物像が、

ふと、浮かんでくる。

そのぼや~っとしたイメージが、残っている。

それが物書きかな.と、ぼんやり気付く。


眼鏡の上から更に邪魔くさい緑のカウンターを

私はつけていないので、

色んな所を通って、本が実体として残っていたとしても、一人の人間が一ヶ所をかじり付くように

面白い一文を書いてんねよな.って

常にうっすらと感じ続けたまま読める物が、

真夏のひどい湿気でぐったりした23には、、

心地良く思う。


ある平凡な帰りしなに、爺ちゃんが、

はほんまに珍しいところを見てるんやで」と、褒められたのが、、

未だに夢を見続けているかのように、嬉しくなる。


文学でも、褒められた言葉でさえも、くれた人の真意が詰まっている。

もちろん、全部がぜんぶ分かる訳ではないんやけど。


...はぁ。ひどすぎる湿気でむくんだからに違いない

デカいゴキブリを無視しながら、今日も本を書く練習をする。

ついでに、腕の赤いボツボツも適宜掻きながら。

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道に放(ほ)られたジュース缶の中身が、まだ残っている 水田 里(みずた さと)、夕島 夕夜 @riobom

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