檸檬

手塚治虫の「アドルフに告ぐ」を読み始めた。

ほんまはブラックジャックを威勢良くコツコツと

買うつもりでいた。

しかし、貧乏人にとっての25巻は、やはり厳しい。


梅田のジュンク堂には「手塚治虫書店」という

立派なコーナーがある。

金は無くとも、選ぶ愉しみは残っている。

今の私は、いたとされる人物の物語を読むのが、

好きでいた。

手に取ったもんは5巻分やし、読みきれるやろう..。

きちきちの可愛い茶色の紙のカバーを付けて貰った。


本屋のレジで会計してる時ほど、

何の後ろめたさもない優雅な空間は他にはない。


十年前、

中学の教科書に載っていた「檸檬」を好きになり、

お菓子で使い果たしかけていたお小遣いでも、

その本は買う事ができた。


「Kの昇天」私は阿保だと思わない。

梶井基次郎さんの主観は素敵なものだ。

猫のゲボが染み付いた畳のある自家うちで、

その一コマを何度も読み返す。


...早よアドルフ続き、読まな..。

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