行動心理学アラカルト2

かとうすすむ

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 「コールドリーディング」と「ホットリーディング」って言葉を知っておられますか?これ、馴染みがない言葉だと思いますが、行動心理学の世界では、とっても有名で、常識みたいな手法なんです。

 簡単に言えば、誰かと会話をしているときに、容易で有効に相手と有利に駆け引きできる心理的テクニックのことなんですね。お分かりにならなければ、この機会に是非知っておくことをお勧めします。知っておいて、絶対に損しない知識です。

 まず、「コールドリーディング」ですね。これは原理的には、ごく単純な代物です。

 「ヒトは見かけの印象の逆の性格も、持ち備えている」というものです。これは一見、逆説めいていて、容易に信じられないかもしれません。でも、本当のことです。ここで、分かりやすく例えで表現して、実際の会話をあげてみましょう。

「あなたは、気立てがよさそうな娘さんだけど、内面で、気性の荒っぽい所があるんだね」

 とか、

「君はしっかりした青年だけど、実際のところ、乱雑な暮らしを送っているんだね、違うかい?」

と、言ってあげたら、かなりの高確率で的中して、相手は自分の心を見透かされた気分になって、きっと不思議な手品師のようなあなたを尊敬して、一目置くようになることでしょう。これも人間心理を見事に突いた面白い現象です。

 あと、「ホットリーディング」も、同様にとても実際の場面で役立つ有力な心理的攻撃手段です。

 これも原理を知ってしまえば、応用は自由自在です。「あらかじめ、相手の個人的情報を密かに入手して、それを表向きでは、全然知らんぷりをして、堂々と言い当てて、相手の本心をを見抜いてしまう」

というものです。これはある意味、奇術や手品の範疇に入ることかもしれません。相手の私生活の様子や仕事振り、プライベートな趣味の類いを何らかの方法で事前に知っておけば、それを突然に本人の目の前でズバリと言い当てることで、百発百中で、相手は内心で、心底から驚いて、狼狽してしまうことでしょう。そして、そうなれば占めたものです。あとは難しくもなく、優位に立って自分のペースで話を進めていくことができるようになります。これもけっこう有効な心理学応用です。面白いでしょ。

 さて今回は、心理行動学の豆知識の第2回ということで、あなたが大好きな異性とデートするという前提で、いかにパートナーと親密で深い関係になれるかという問題の核心に触れていきたいと思います。

 まずその恋人とデートをする日時の設定からです。

 これは、絶対に短絡的な発想ではいけません。

「僕なら、いつでも良いよ。何時でも君の予定に会わせるからね!」

 これではいけません。これは、ぱっと見て、優しい寛容なイメージを抱かせますが、実際は、あなたのデートの値打ちを、一気に落としているようなものです。

「そうだな、君とのデートなら、ちょうど、来週の木曜日の午後が空いているから、君はそれでも良いかな?どうだい?」

と言えば、君の希少性はぐんと高まって、君の異性としての魅力のレベルは上がることでしょう。例えば女性の場合、基本として、男性に対して、動物としての雄として自分よりも「格上」の男性を選びます。これは動物の繁殖能力の反映から来ている影響と言えるでしょう。やむを得ません。人間の世界も競争社会であり、容赦ないのです。女も自分よりは「格下」の男性には、最初から眼中になく、相手にしないのです。そんなものです。ですから、自分の格をどんどん上げて、異性に自分の素晴らしい魅力を持たせてしまいましょう。

 次に、デートの時の服装です。分かりやすく言えばこうなります。

「楽しい時間を過ごしたければ、緑色の服を着る」

「何かの事情で謝罪したい状況の時は、青い服で決める」

となります。そして、デートやプロポーズの時には「赤色のドレス」や「赤い上着」を来ていくと良いでしょう。赤い服には、性的アピールを高める要素があると心理学では分かっています。使わない手はありません。どんどん赤い服で素敵な自分をアピールしてはいかがでしょうか?

 第三に、知性の要因です。人間は理性的動物である宿命から、もとより「知性」を尊重する心理的傾向があるようです。これも大胆に利用しましょう。

 「四角い眼鏡」です。

 眼鏡は知性の象徴です。悪いイメージも存在しますが、それほどの影響はないようです。四角い眼鏡で、知的な異性になって、ぐんと差をつけてみましょう。

 次にデートの時の会話です。

 ここでは、「トランス話法」が、効いてきます。「トランス話法」とはいったい何でしょうか?

分かりやすく言えば、催眠術のようなもの、と言えばいいでしょうか?ここでは、「あなたと」、「あなたは」、「あなたの」といったような表現を多用することで、相手にある種の暗示をかけてしまうと言えば良いと思います。例えば、

「あなたと一緒に、10年後には世界一周旅行に出掛けることを期待しているからね!」とか、「あなたが運転する赤いスポーツカーで街の郊外をドライブできたら気分は最高だね!」と言えば、相手もいくぶんかは、言葉の影響を受けてそれが現実化することも皆無とは言えないわかですよね。これは言葉による間接的暗示のちからの結果でしょう?。

 そして、これは女性に対して行うと非常に有効な方法ですが、女性の「母性本能」に訴えかけて、依頼を聞き入れてもらうというものです。

「お願い!」という言葉です。

 女性の心を、というか女性心理に働きかけるのでしょう。人は、お願いされると、優位に立つせいでしょうか、基本として弱いところがあります。断りがたいのです。どうしても、頼みたいことがある場合は、正面切って、正直に、お願い、と頼んでみることです。うまく行くことが多いと思います。

 それから、熱烈に愛している恋人を目の前にして、会話している場合には、「熱い視線で相手を見つめる」というポイントについて語りましょう。

 「目は口ほどにものをいう」といいますが、あながち嘘とも言えないのではないでしょうか。目は語ります。熱く、強く、相手を見つめればそれは必ず相手に伝わりますし、ちからを秘めています。心を込めて相手を注視しましょう。あなたの、正直でひたむきな思いは必ず心に思う相手の魂に響いて来ることでしょう。真の心からの細やかな愛情はいつの日か、必ず頑張ったあなたに報われてくるものなのです。

 それから、もしも、あなたが恋人とデートをしていて、例えば食事をともにして、かりにその相手と、究極で肉体関係を持ちたいと願っている場合は、恋人が見ている前で、食事を口に運ぶ際に、しきりと、「舌で唇を舐めて」みせるのもよいでしょう。これは、非常に強い性的イメージを相手の無意識に強烈に与えてくれますから、相手を性的に興奮させるきっかけのひとつにはなるかもしれません。

 そして、このエッセイの最後に、決定的な事柄として、「恋人と熱いキスを交わす誘い」となる効果的で劇的な秘訣をひとつお教えいたしましょう。

 これは、「キスのトライアングル」とされる有名な方法ですが、やることは、いたって簡単です。まず、あなたの右目で、相手の右目を1.5秒見つめます。それから、ゆっくりとして、次に、あなたの右目で、相手の左目を1.5秒見つめます。そして、ゆっくり。そして、相手の唇を1.5秒。この動作をゆっくりと、30分に一回くらいのペースで繰り返します。この順に相手の顔に自分の右目の視線を送ると、相手は、自然と無意識にキスしたくなる気持ちがどことなく沸いてくるかもしれません。あくまでも、ゆっくりとしたペースが肝心ですね。ただし、これは、あくまでも、恋人同士がロマンチックでセクシーなムードの時に行えば効果的なものであって、日常的な場面では何の意味もないものとなってしまいますから、念のために。

 そして、一番、大事な、あなたたち、恋人たち、の別れる時の大事なポイント。それは必ず、恋人のために、「何らかの「謎」を相手に残す」ということなのです。

 不思議に思うかもしれませんが、何時の世でも、謎のある人はどこか魅力的だ、という真理なのでしょうか。

「君に、とっても、大事なことを告白しておきたいけれど、残念だけど、それは次にあった時にしておくよ」

とか、

「前からなんだけども、是非、君から訊きたいことがあるんだけど、いつか教えてほしいな」

とか、頼んでおくと、自然と相手はその疑問の内容を知りたい欲求に駈られてきます。その結果として、また再会の約束を取りつけるということになる可能性は大きいでしょう。人間の心理は、底知れない可能性に満ちていると言っても過言ではないのです。

 いかがでしたか?

 私の今日のエッセイは、ここまでとなります。これを読んでいるあなたに、行動心理学の世界の素晴らしさが少しでも伝われば、私としても幸いです。これを機に、一度、心理学の本を手に取ってみてください。必ず、あなたも新しく不思議に満ちた人間心理の神秘の世界に、きっと、こころ躍らせることでしょう。では、そんな日を心に願って。今日は、本当に、どうもありがとうございました。

 

 

 

 

 

 


 

 

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