はじめからすべては決まっていたというのだろうか
デディケート。
やり直し。
一から、全ては決まっていたというのだろうか。
走り始めたあの六年前からこうなる事は決まっていた???。
如何してこうなった。
賭け方が違うんだろう。
もう全てを賭ける勢いで、道を進んでいるのだろう。
何処か不安で、やりきれない、何が僕を、其処に縛りつけるのか、不安症の、臆病者。飛び出す前に考える臆病者。
その考える頭だけはどうやら無駄に肥大化したようだ。
またそうしてチャンスを逃して歳を取っていくのですか。
こんな事の繰り返しじゃ、何も生み出さない、生み出せない。
神様は、私に沢山の才能をくださったが、其れを上手くいかせていないのは、僕の臆病が原因らしい、他人に頼ろうとしない僕の性情が、この様な、プライドの高さが、悪魔的な此の性情が私を孤立させ、此のような状態を作り出し、更にその悪性を増してくるのだ。
彼は、その犯罪者心理を加速させ遂には、誰かに注目されようと、誰かに認められ、結果を出そうと、憤慨し、怒り、苦しみの道をたどる事となった。
「こんな、ハズでは・・・。」
二年前に全ては、もう始まっていた、そして、その先の道が険しい事も理解していた。
「貴方は挫折したのですか???。」
「挫折・・・。そんなものはしていない!!!。」
無駄ではなかった。
いい経験ではなかったが、なくてはならない物だったから、只どうして僕はあの時、立ち向かわずに、違う道を選んでしまったのかが、実によくわからない。
謎だった。
自分でも謎の選択だった。
あの時期にどうして、彼は、変わってしまったのか。
其の儘勉強していれば、大学だって受かっていたはずだ、何が不満だったんだろう、収集できなくなったのだろうか、膨らみ過ぎた希望が、収集できなくなったのかも知れない、理由なんて後でつけて幾らだっていい訳は出来る、僕は、いい訳をしている、あの時、挑戦をしなかった事に、其処で、道を投げ出して、全く違う未来を見た事に、違う未来。全く違った形の未来を見ていた。
「社長に成るんじゃなかったのかい?。」
社長。一体どうしてそんな風に思ったのだろうか。
「御金持ちに成るんじゃなかったの?。」
そうだ。分かってる。
そのつもりだった。
そう宣言だってした。
何が、如何してどうなって、僕は、引き籠りなんてしているんだろうなあ。受験勉強は大変だし、御金も無いし、何一つ上手くいっていないなあ。上手くいっていない。何も上手くいっていない。
「何かで結果が出れば風向きも変わるのでは無いのかと思うのだが、今はこの有様だ。」
何一つうまくいかず、夢を追いつつ、大学進学を諦めきれず、暗くさえない時を過ごしている西城 劇であった。
小さい頃の将来の夢は何だったろうか、普段はおとなしそうに見えるが、その実彼は全てを望んでいた。
何者にだってなろうとさえ思っていた。必要とあらば神にだってなろうとしていた。
「僕は、バベルの塔の様な、無謀な事を考えているのだろうか。」
僕は、望んだものは手に入れないと気が済まない太刀だ。
其れが実現不可能なものだとしてもだ。
「随分と感性が腐ってしまったようだ。」
感動する事を、惧れているらしい。
此れじゃあ、真実が幾つか混ざって終っているけれど、全く、此れは恐ろしい位によくある話で、偏差値がちょっとやそっと良かった人間がふとした事を切っ掛けに、落ちこぼれたというだけのそんな話なんだけれど、其れも、全くそれだけなのだけれど、僕の全てなのだけれど、その僕は、何も出来ずにいるのだけれど、只数学の勉強をしようと大学の数学書を買ったり、医学を勉強しようと医学の教科書を買ったりしているのだけれど、そのお金がなくて困って困り果てて、いるのだ。
御金が貯まったら、iPadとか、パソコンソフトとか、電子ピアノとか、マイクとか買わないとなあ。絵の具と筆も買おう。
彼は、其れからジムに通って毎日二時間近く泳いで、帰って勉強やら、作品作りをする生活を一年続けた。
秋ごろに、春に出した、小説が、此れはライトノベルの賞なのだがを受賞して、其の副収入で、金銭的に余裕も出てきた。動画投稿サイトにアップロードした、曲や、動画の再生数も伸び始め、好調に差し掛かってきた。
此れで大学にも合格出来れば、学費の負担も少なくなる。
賞金で得た御金や、動画に張り付けてある広告の副収入で、相当の資金が手に入ったからだ。
西城家は、其処迄の金持ちでは無く。
寧ろ一般家庭であった、祖父が、政治家であったことを除いては、大した一家では無かった。
御金も、無いのである。
劇は自分の学費を稼ぐ為にも、ビジネスを成功させる必要があった。
僕が御金を稼ぐ様になって羽振りが良くなってきてから、親が働くなった。
親は、僕を食い物にしたのだ、あの卑俗な親は、低俗な親は、僕が成功するとその資金で好き放題やっていた。殺してやろうかと思った。
特に父親は酷かった。
もう、自慢ばかりしていた。
自分の息子の自慢ばかりして恥ずかしい親だった。
金持ちに成った息子に媚を売る様にさえなっていた。
縋るような眼で自分の子供を見るのだ。
厭になった。
如何して、自分の肉親がこんなクズなのか???。
その理由は分からなかった。
只、彼の父親は相当なクズ男であったと言う事だ。
稼げるようになった息子は金になる。
親子の吉見で、金を貰おう。
借りよう。
そんな悪徳な考えの親だった。
極悪人だった。
処刑してもよいくらいの極悪人。
残念な父親。
残念な、飲んだくれの、親。
此れが、自分の親なのか。
厭だ。
こいつは、違う。違うんだ。こんな奴は親でない。
そう、親で無いのだ。
私は此奴に金を貸す気もあげる気もない。
自分で稼げ。困っていたってこんなクズに貸す金も、援助する御金もない。
あいつが、あんな卑小で矮小な人間が一体何だ???。
金色折紙の秘密 無常アイ情 @sora671
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。金色折紙の秘密の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます