帰宅ラッシュ

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一日のミスを引き摺って、駅に戻ってきていた。

帰宅ラッシュ。山手線を乗り継ぎ中央線。居場所の取り合いに勝利して鞄を荷台へと置き顔の位置は車窓の前。差し込む夜光の数だけ、ミスが思い出され反省会。エンドロールの代わりに流れる街の光が少なくなっていく。都心を離れ、人里から山へ谷へ。停車駅のホームから徐々に文明の臭いが消えていくのがみっともなく感じた。そうしてとうとう降りた場所は地元の無人駅に酷似していて、錆とカビ臭いがした。

負け犬の気分で帰宅。鍵を開る。

「おかえり」

「ただいま」

無理やり笑顔を作って部屋に上がると、妻は一人で酒を飲んでいた。

妻も私も、まったく、疲れていた。