ある夏の記憶に
@rui442255
第一話
夏のお祭りで取った金魚が大きくなり始めた頃だった。母親に頼まれた物を買いに近所の商店街に行くと、買い物帰りであろう顔の皮膚がたるみ、白髪が目立つ女性が僕に近づき話しかけてきた。「荷物が多いから手伝ってくれないか」僕は少し驚きながらも手伝うことにした。少し埃臭く、窓から微かに光が溢れる部屋へと荷物を運ぶとパシャリと玄関の扉が閉まる音がした。すると女性は少し休んでいきなと麦茶をコップ一杯運び僕を居間へと招いた。うっすらと畳の匂いがし欄間が特徴的な和室で束の間の休息をしていると、箪笥から取り出したアベンチュリンという緑色の石をお礼にくれた。ありがとうございますとお礼を言い家をあとにしようとすると。僕は自分の家の布団で寝ていることに気づいた。ポケットにはあの石がが入っていた。
僕は石言葉を父親から貰った使い古したパソコンで調べることにした。「心の安心 安眠」と書かれていてはっとさせられた、ここ数日眠れてなかったことに。
僕は石を優しく握りながら再び眠りについた。
ある夏の記憶に @rui442255
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