春を待つ
ライブ後、11月3日。
余韻に浸りながら歩く浪人生アオ、19歳。
隣を歩く高校3年生ユカ、18歳。
ユカ「まじで最高すぎた」(歩いている方向を見て、独り言みたいに)
アオ「ね」(一瞬だけユカを見て)
ユカ「アオもめっちゃ好きでよかった」(一瞬アオを見て)
アオ「めっちゃ好きだよ、知らなかっただろうけど」(歩いている方向を見て)
ユカ「うん、でも先輩から聞いてたから少しは知ってたよ」
(「知ってたよ」でアオを見る)
アオ「でも、初対面がライブってすごくない?」(「すごくない?」でユカを見る)
ユカ「よかった」(歩いてる方向を見て)
アオ「よかった?」(ユカの横顔を見て)
ユカ「うん、初対面がライブで私はよかったって思う」(そのまま前を見ながら)
アオ「そっか」(前に向き直して)
ユカ「私全力で盛り上がってたでしょ?」(アオを見て)
アオ「うん、超楽しそうだったよ」(ユカを見て、目が合う)
ユカ「そういうところって、すごい仲良い人とか信頼してる人にしか見せられないじゃん?」(1度、目をそらして最後にもう1度、目を合わせる)
アオ「たしかに」(少し笑って)
ユカ「それをアオに初対面で見てもらったのは今後楽になる」(笑ってアオを見て)
アオ「今後ね」(前に向き直す)
ユカ「また行こうよ」(アオの横顔を見て)
アオ「そうだね」(前を見たまま)
ユカ「ありがと」(前に向き直して)
アオ「いや、こちらこそだって」(一瞬ユカを見て)
(10秒くらい無言で歩く)
アオ「あのさ」(ユカを見て)
ユカ「ん?」(アオを見て、目が合う)
アオ「ポップコーン、みたいじゃない?」(少し微笑んで)
ユカ「…どゆこと?」(つられて笑って)
アオ「歌声とか演奏とか、MCとかそういうの全部が俺らに熱を与えてくれて俺らは弾けとんじゃうわけじゃん?毎回」(1度、前を向いて最後に目を合わせる)
ユカ「そういうことね」(笑いながら)
アオ「伝わる?」(少し心配して)
ユカ「よく分かるよ、たしかに弾けとんだし」(前に向き直して)
アオ「よかったぁ伝わって」(前に向き直して安心)
ユカ「それ、言おうと思ってたの?」(アオの横顔に向かって)
アオ「思ってたライブ終わって2人になる前から」(笑ってユカを見て)
ユカ「はは、そんな前から?」(笑って、アオを見て)
アオ「うん、いつ言えるかなって思ってた」(ユカを見て、目が合う)
ユカ「うまいね」(前に向き直して)
アオ「なにが?」(笑いながら、ユカの横顔を見て)
ユカ「ポップコーン」(そのまま前を見ながら)
アオ「ポップコーンはうまいよ」(ユカの横顔を見て)
ユカ「うまいし、うまい」(2度目の「うまい」でアオを見て、目が合う)
アオ「え?」(少し微笑んで)
ユカ「ポップコーンは美味いし、アオの例えも上手かったよ、キャラメルくらい?」
(前に向き直して「キャラメルくらい?」でもう1度アオを見る)
アオ「いや、上回ってきてんじゃん俺の例え」(ユカを見て笑って)
ユカ「私の勝ちじゃん」(笑って、アオを見て)
アオ「負けたー」(笑って前に向き直す)
ユカ「やったー」(笑って前に向き直す)
アオ「また行こうね」(そのまま前を見て、独り言みたいに)
ユカ「さっきも言ったじゃん」(そのまま前を見て)
アオ「ごめん、こっちからも言っておきたくて」(笑ってユカを見て)
ユカ「はは、ありがと」(「ありがと」でアオを見る)
〜終〜
恋する人はよく喋る 鷹園十一 @s2o3t4r8o
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