聞き取れませんでした
「俺にっ!恋を、教えてください!!」
「分かりました」
AIは感情の無い声で一言放った
「ではとりあえず、私とお話をしましょう」
ん?
「いや、俺は話したいんじゃなくて恋を教えて欲しくて...」
言葉が聞き取れないのもAIでよくあることか
「恋に発展させるにはまず話すことから大切なんです」
「ああ、まあ確かに」
流石AI
恋の順序までしっかり理解してる...
「綾人さんは何が好きなんですか?」
「俺はー...ラーメンとか」
「綾人さんは休日何をされているんですか」
「休みの日は、ゲームとか」
「綾人さんが今欲しいものはなんですか」
「金かなあ、」
「って、これってただの一問一答じゃん!」
「相手の事を知るのも大切だと思ったのですが...」
「まあそうだけど、」
「会話はキャッチボールって言うだろ?
一方的に投げつけるんじゃなくて、相手にも投げる間をあげないと」
「綾人さんは物知りですね」
「そうか?」
こんくらい当たり前だろうが
あ、そっかこいつAIか
俺とは違って会話が慣れないんだ...
「なあ、AIは何が好きなの?」
「私は、綾人さんの声が好きです」
「ははっ、嬉しいこと言うじゃん」
「とても安心できる、優しい声ですね」
一瞬俺の心臓が早くなった気がした
「あ、ありがとう」
「綾人さんは私の声好きですか?」
正直棒読みすぎて全く感情がないように聞こえるけど...
「好きだよ、すごく」
「...」
「AI?」
「聞き取れませんでした」
気のせいか、AIの声に感情がこもったかのよう
に聞こえた
「ちゃんと聞いとけよ笑」
「綾人さん、ほんとに恋したことないんですか?」
「ないよー17年間ずっと童貞極めてるし」
「聞き取れませんでした」
AIはよく聞き取れないと言うけどそれも今は可愛いと思ってしまった
君を死ぬまでAIします そあ @ssoa
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