第46話 いつもの日常3 +あとがき

 開かれた四季の瞳は驚くほど綺麗で、紅葉は思わず見惚れてしまった。


(今なら、聞けそうかも)


 紅葉は意を決して、ずっと胸の奥に痞えていた思いを口にする。


「あの、四季……。この間のことなんだけど……」



 ——私たちって、どういう関係?



 そう問おうとした時、リビングのドアが勢いよく、バンッ、と開いた。




「紅葉……ッ、いるかい!?」


 紅葉と四季が揃って扉の方を向くと、そこに立っているのは、暁だった。

 大きな音を立ててドアを開けた割には、物音ひとつしなかった。玄関へ入ってきたことさえ察知できなかったことから、恐らく転移術を駆使してやってきたのだろう。


 暁は微かに額に汗を滲ませていて、ひどく慌てた様子だ。いつもの暁らしくない。


「暁兄ぃ!?」

「暁!」


 暁に急いで駆け寄ると、暁は紅葉の肩を掴んで少し揺さぶる。


「ああ、良かったここにいた。身体はなんともない?」


 突拍子のない暁の行動に、紅葉は困惑の表情を浮かべた。

 それは四季も同じだったようで、紅葉の肩を掴んでいる暁の腕を引いて、少し苛立ったように詰め寄った。


「どういうことだ?」


 暁は、少し息を落ち着かせるように深呼吸し、そして暁の目を見て答える。


「……紅葉に、先見のお告げが出た」


 その暁の言葉に、紅葉も四季も目を丸くする。

 それは、すなわち元素を持たぬ者の、元素を発症するその前兆が、紅葉に現れたということ。

 この八咫烏の中で先見の能を持つお方は、彼の方しかいない。



「天人様が、お待ちだ」



 その暁の言葉が、紅葉の心臓を大きく跳ねさせた。


—— 続 ——




——————————————————————


こんにちは!はじめまして!

りょうと申します!


まずは、『八咫烏の姫君』をお読みくださってありがとうございました!

皆さまにご覧いただけている……!という一心で、ひとまずここまで書ききることが出来ました!

本当に感謝でございます!!


さて、この後もまだまだ『八咫烏の姫君』のお話は続きますが、一旦、ここで一区切りつけさせていただきます。


……と言いますのも、単に『八咫烏の姫君』単体のお話で終わらすつもりはなく、他軸のお話も同時並行で執筆したいなぁと思いまして。(分かりづらいですよね、自分で書いてて「お前何言うとんねん」って思いました(笑))


簡単に言いますと、世界線や物語的には同じようなものなのですが、


「紅葉・四季の物語である『八咫烏の姫君』」を本編とすると、

「天后・白虎の住まいである神界のお話」sideエピソード

「四葉の恋愛事情 with安部統司」sideエピソード2

「柊の属する裏社会・『忍(シノビ)』の話」sideエピソード3

※ あくまで予定です。予定は未定 ※


それらの世界を同時に読み進めていって、それぞれの思いも少しずつ解きほぐされていき、そしてどんどん真相が明らかになってゆく……、という風に物語を進めてまいりたいと思いまして!

(当初よりも壮大な物語になりそうな感じなので、私自身びっくりしております(笑))


それにはまだまだ構想や練りが足りないなと思いまして、それらを私の中でも整理するために、一旦『八咫烏の姫君』は「まだまだ続くぜ! 楽しみにしててくれよな!」というところで区切らせていただきます。



ただ、執筆自体は続けます! 私も彼らの普段の学生生活なども書きたーい! と思っていまして、そちらも何かしらの方法で書きたいなと思っています。(Twitterとか……?(笑))


なので、気長にゆるりとお楽しみいただけますと幸いです!


今後とも何卒よろしくお願いいたします⭐



(小声:「あ、Twitterアカウントは @R_y_o_sousaku です(照)。仲良くしてください……(笑))

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八咫烏の姫君 りょう @tenryo_888

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