不死殺しのネクロマンサー~最強無敵(自称)な死霊術士と訳あり最強S級剣士~
村日星成
第1話 メメカの野望
リード王国の港町テイハにて、ある冒険者ギルドの門の横に怪しい魔導士がひとり簡易な机を前にして座りながら何かを叫んでいた。
「さぁさぁ
簡易な作りをした机に棒でパンパンと叩きながら道行く人やら冒険者に声をかけまくるその魔術師、年は18ながらも背丈は140㎝はあるかないかの珍竹林、濃い青緑色の短めな尖端がウェーブかかった髪、着ている暗い赤色のフード付きローブは何度か縫い合わせているのだろうボロボロである。
首には何かの牙や骨がいくつも結ばれたネックレスをかけている。
「死霊術師は死者を玩具にするってあれ嘘ですから、全うな魔術師ならそんな事はしないので、これを機会に偏見捨てましょう!」
名はメメカ=ムンムール、C級冒険者、職業は死霊術師。
「お願い、このままじゃあ私は飢え死にしますよッ!?」
小さいながらも顔立ちは整っており、黙っていれば言い寄ってくる男もいるだろう、黙っていればだが。
「おい、そこの野郎ども、ニヤニヤ笑いながら見るんじゃない!、これは見世物ではなく――あ、投げ銭はありがたく頂きます♥」
そんな事をしているとギルドの中から受付嬢がやって来た。
「あの......そういう事は辞めてほしいのですが」
「え、ああ もう少ししたら退きます」
「次、憲兵呼びますから」
「......はい」
■
「ん~、ダメかぁ」
死霊術師は死者への冒涜である、人を呪う、等々、ある事ない事が噂される職業で嫌煙されがちだった。
「派手な魔法とかあればなぁ」
C級より上に行くには高難易度な依頼を受けていかなればならないがソロでは心許なかった。
今まではソロで新人用の簡単な依頼か土下座して他のパーティに張り付いて難しい依頼を受けたりしてどうにか過ごしてきたのだが、ついに受付嬢から――
『下位の依頼は新人さんの為のものですし......もうメメカさんも長いんですからそろそろ自分のランクに見合った依頼を受ける様にしてください』
「私に死ねってかッ!?」
とかグチグチ言っても現実は変わらない、村から都会に出て3年、色々あり冒険者となりE級からD級、C級までは順調だったのだ、こんな彼女でも――今となっては日々減っていく貯金に心が削り取られていく毎日だ。
「うぅどうしたら......」
投げ銭で得た申し訳程度のお金を見る。
「もう、こんなん大道芸やるしか......ん?」
とか考えているとある掲示板の前に人だかり出来ているのに気が付いた。
「はいはい失礼~可愛い子どもに御譲りくださいねぇ~」
そういってズンズンと前へと進み掲示板の内容を見る。
『S級冒険者ライダル=エスパルドは自分を打ち負かした者とパーティを組む。
ただしパーティ内に魔法を専門的に扱える者が所属している事が条件。
細かな日時と場所について――』
「こ、これは」
ライダルと言えばS級冒険者の中でも飛び切りで強いとされる剣士だった、1年前にある都市を襲ったドラゴンを一人で倒したのは今でも語り草である。
「『竜殺しのライダル』とパーティが組めるのか!」「あのS級剣士を......」
周りがざわめく中考える。
そんな者とパーティが組める、条件的にも死霊魔術師は魔法職だから問題ない。
「もしライダルを仲間に出来ればッ.......」
必要な前衛を得られるのは勿論、彼一人で大体どうにでもなるほどの実力者が仲間になる、全部ライダルに任せ置けばオールオッケー、つまりは成り上がって将来安牌。
「これはッじっとしてられねぇッ!」
早速準部をしなくてはならない。
打倒――ライダル=エスパルドの為!
不死殺しのネクロマンサー~最強無敵(自称)な死霊術士と訳あり最強S級剣士~ 村日星成 @muras
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。不死殺しのネクロマンサー~最強無敵(自称)な死霊術士と訳あり最強S級剣士~ の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます