選評

アンソロジー掲載時にいただいた選評の掲載許可もいただきましたので、以下に乗せさせていただきます。暴力と破滅の運び手さん、橋本先生、ありがとうございます!


【選評】 審査員賞 橋本輝幸選

 今回、さまざまなエッチ小説の定型や技術を踏襲した作品が送られてきました。しかし過度に内輪受けになったり、すべったりせずにやりきるのはどうしてなかなか難しいものです。

 本作は「ベタ」や「王道」を利用しつつもテクニカルな展開で読者を飽きさせません。いわゆる男性向けっぽい用語を散りばめた冒頭から、性癖考とへらず口の応酬が続く中盤、最後までつい見守ってしまいます。また、なにより陽気な魅力がありました。実のところインモラルな、陰惨な、切ない投稿作が多かった中で数少ないラブラブハッピーなロマンスとして輝いていました。

 また、登場人物も作者の方も堂々とひたむきに性癖を追及している感じがしてよかったです。物語そのものが自らの思う魅力を追及する話ですね。親指を立てて応援したくなりました。本作を候補作に推したのは私だけでしたが、ユーモラスで複数人に強い印象を残していました。(橋本輝幸)

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きつねは七化け 春道累 @contents_conten

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