第7ゲーム 絶望の夢 謎の空間

 夢を見た


 長い長い夢


 夢の中で目を開けたら、そこはあの場所だった


 ベッドと、勉強机と椅子だけの、質素な部屋


 服は制服だけで着回し


 真っ暗な部屋に、外から怒声が聞こえた


「あなたがそんなんだからあの子はああなったんでしょう!?」


「それはお前のほうだろ!あんな出来損ないの子供を産みやがって…あの子に悪影響でも出てみろ!全部お前のせいだからな!」


「なによ!産めって言ったのはあなたよ?!より賢い子を産めって!」


「生まれてきたのは天才と出来損ないじゃないか!俺の家系に出来損ないを作るとはいい度胸じゃないか!」


 ガシャァァァァン!


 バキっ


 そんな音が鳴り響いてる


 なにを話しているんだろう


 2人でなんの話をしてるの?


 気になる…


 ゆっくり体をあげて、すり足で薄らと光の入る扉に近づいていく


 扉に手をかけようよする


 そしたら


「ちょっと、それはダメよ!合法じゃないわ!」


「黙れ!そもそもあれを産んだお前が悪いんだ!今すぐ…死んで償え!」


「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!いやよ!ならあの子だけ殺せばいいじゃない!あの子を…ロレットだけを!」


「知るか!お前を殺してアイツも殺す!そして俺の娘はロリットだけになる!さっさと死ね!!」


 バァン!


 大きな破裂音が、この部屋まで響き渡った


 そのあとは、何も音が鳴らなかった


 アイツも、入ってこなかった


 部屋の扉が開いた


 そこには、ロリットが、笑顔で私に手を差し伸べてきた


 そして、私たちは、外へ逃げ出した




————————————————————




 夢を見た


 懐かしい夢だった


「エレン、早く早く」


 目の前には金髪碧眼の少女


 あぁ、懐かしいな…


 まほろ


「あら、どうしたの?ふふふ、エレンったら、耀ようが待ってるわよ?」


「え…あ、あぁ。うん。行こうか」


 空が青い


 雪も降ってない


 こんなアブソリュートは、懐かしい…


「ちちー!ははー!早くー!」


 今はもう入れないアブソリュート


 夢の中だとしても、ここにいるだけで安心する…


 もうずっと、ここにいていたいくらいだ…


「ねぇ、エレン」


 耀のもとに向かいながら幻がこちらを覗いてきた


「ねぇ、いつになったら…私達の仇を、うってくれるの?誉?」


 ボトっと、何かが落ちた


 下を見てみる


 そこには…


「あ、あぁ、あァァ」


 目を閉じて、赤い血を首の断面から流した…


 幻の頭が、そこにあった


「あァァァァァァァァァァァァぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁああああぁぁぁぁあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああああああああぁぁっぁぁぁぁっぁぁあああああああああぁぁぁぁぁぁっっっぁああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっぁああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁっぁぁぁあっっっっっぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああぁぁぁぁっっっっっっっぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっぁっっっっぁぁぁぁぁっっっぁぁああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっぁぁっぁぁっっっっっっっっっぁっっぁっぁぁっぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっぁぁぁぁあああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああああっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっぁっぁあああぁぁぁぁぁぁぁぁあああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああああぁぁぁぁぁぁっぁぁぁぁぁぁぁぁぁっぁぁぁっっぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっぁぁぁっぁぁぁぁぁぁぁぁぁっぁぁぁっぁっあああああああああっぁぁぁぁっっっっっっぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっぁぁぁぁぁっぁぁっっっぁぁぁっぁぁぁぁぁぁぁっっぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっぁああぁぁぁぁぁっっぁっっっっぁああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁっぁぁぁぁぁぁぁっっっぁっぁぁっっぁぁっぁっっっぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっぁっっっっぁぁぁぁぁぁぁっぁぁぁぁぁぁっぁああああああああああああああああああああああああぁぁぁあぁっぁぁぁぁあぁぁっっっぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっぁぁっぁっぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああぁぁっぁっっっぁぁぁぁぁぁぁっっぁぁっぁぁぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっっっぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっぁぁぁぁぁっぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁっぁぁぁぁぁぁぁっっっっぁぁぁっっっぁぁぁあぁぁぁぁぁぁっぁっっっっっぁっぁぁぁぁぁぁぁぁぁっぁぁぁぁっぁぁっっっっっっぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああああああああああああああああああああっぁぁっぁぁっっっぁっっっっっっっっぁぁああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっぁぁぁぁぁぁぁぁっっっぁぁあああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっぁぁっっっぁぁっぁぁああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっぁっぁぁぁぁぁぁぁぁぁっぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっぁぁぁぁぁぁぁっぁっぁぁぁっっぁぁあああああぁっぁぁぁぁぁぁぁっっぁぁぁぁあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああぁぁぁあああああああああああああああぁぁぁぁぁぁ!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?」




————————————————————




「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああぁ?!?!」


 誉の絶望の叫び声が、部屋に響き渡った


「師匠!無事ですか?」

「先生!」

「誉お兄さん、大丈夫?!」


 先に目覚めていた3人が誉を囲んだ。

 いつのまに眠っていたんだ?記憶がない

 それに…


「どこだ?ここ」


 記憶にない場所だった。

 真っ白な空間

 そこには何もない

 自分たちの手持ちも…


「ない!僕のカバンは?!絵描き道具は?!お菓子は?!甘味は?!」

「大丈夫です。それに関してはいつも私の亜空間に入れていますから。安心してください。それよりも師匠の精神状態が不安定でした。脈拍数も普段より高かったです。どんな夢を見ていたんですか?」

「…昔の、夢を見てた……それよりも…ここはどこなんだい?」


 誉はロレットを見て聞いた

 見たことのない場所

 招待された客室とは違う

 この空間には何もない

 真っ白な、ただの空間

 いつこんなところにいた?

 いつ運ばれた?

 一体誰が?

 何が理由で?

 こんなところに?

 理解ができなかった


「私も分かりません。ゲームをしにきたら、いつのまにか寝ていて、いつのまにかこの空間にいました。それについてはお姉さん達が証人です」

「そうです!私たちは一緒にいました!本当に、記憶がなくって…」

「…キーワードは睡眠。ブランカ、君は。何かわからないかい?」

「いえ、残念ながら…魔術遮断が使われてしまったらしく動けなかったです。この空間は、ギリギリ必要最低限の魔術のみが使えます。亜空間は使えます。ですが、瞬間移動や攻撃魔術などは使えません」

「魔術に関しては僕には関係ないよ。まったく…何がどうなってんだか」

「とにかく、現状を整理した方が良いのではないでしょうか」


『その必要はありませんよ』


 上空から声がした

 聞き慣れた声

 ロレットは今すぐにでも泣きそうな瞳で、その声のした方をみた

 そこには…


『おはようございます。プレイヤーの皆さん』


「ロリット…??」

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