2度読みすると見え方が変わるミステリ

別媒体で読ませて頂いておりましたがカクヨムにも投稿されておられたとのことで、遅まきながら改めてこちらにてレビューさせて頂きます。

僕は普段イヤミスをあまり読まない人間なので、読む際には「どこだ……どこに裏が隠れている……?」と恐る恐るというかめちゃビビりながら読み進めていきました。

一見して順風満帆の物語を読み進めながら、「こいつが実はやばい奴か?それともこいつか?」みたいな感じで疑っていくうち、なんだかいやーな予感がし始めて、いつしか心の中で「頼む……頼むから、予想よ外れてくれ……!」と祈り始めることになり。

……ですがそこはイヤミス、明かされる真実と共に迎えるなんとも言えない後味の悪い結末に胸を締め付けられ……これがイヤミスか……と、これでもかというくらいに『イヤミスの何たるか』を教え込まれることとなりました、笑

また、読後に改めて読み直してみると色んなセリフが初読時とは違った意味に読めて、なるほどこれもまたイヤミスの面白さか……!と思わされた次第です。

以上のようにとても嫌な気持ちにさせてくれる素晴らしいイヤミスではありましたが、しかし誰かがこれでもかという不幸の末に救いもなく惨たらしく死ぬ羽目になるとかそういったものではなかったので、それが却ってイヤミス初心者の自分には受け入れやすかったのも良かったと思います。

すなわち、本作は自分のように普段イヤミスを読まない方にも入門書的にオススメできるような作品ではないかと考えます。

事実、これを機に今後もイヤミスにチャレンジしようかなと僕自身思えましたので、イヤミス好きな方もそうでない方も、是非一度読んでみてもらえると嬉しいです。

長文、失礼しました。