狸と兎の敵討ち-懺悔と再生の物語-

緋色有機@休業中

昔、ある所に畑を耕して生活している老夫婦がいました。

昔、ある所に畑を耕して生活している老夫婦がいました。その畑には、日ごとに性悪なタヌキが現れ、不作を望むような囃子歌を歌い、せっかくまいた種や芋をほじくり返して食べてしまっていました。お爺さんはその悪さに業を煮やし、やっとのことで罠でタヌキを捕まえることに成功しました。


お爺さんは罠にかかったタヌキを見つめながら、おばあさんにタヌキを狸汁にするように言いました。「これで悪さはするまい」と思い、お爺さんは畑の仕事に向かいました。しかし、タヌキはおばあさんを騙すために、「もう悪さはしない、家事を手伝う」と言いました。おばあさんは喜び、タヌキの縄を解きました。しかし、タヌキはおばあさんを殺し、おばあさんの肉を鍋に入れて煮込みました。


そして、タヌキはおばあさんに化け、お爺さんが帰ってくるのを待ちました。お爺さんが帰ると、タヌキはお爺さんにタヌキ汁と称しておばあさんの肉を食べさせました。お爺さんはその光景を見て元の姿に戻ると、「おばあさんを食ったな!」と嘲り笑いました。そして、タヌキは山へと帰ってしまったのです。


お爺さんは「このド外道が!」と怒りに燃えながらタヌキを追いかけましたが、タヌキはうまく逃げてしまいました。お爺さんはどうしようかと悩んでいた時、近くの山に住む仲良しのウサギに相談しました。「タヌキを成敗したいけれど、自分には力が及ばないのです」と。ウサギは聞いて事情を理解し、タヌキを退治するために猟師を雇うことを提案しました。


ウサギは猟師を雇うためのお金を稼ぐため、お爺さんにお金を用立ててもらうことにしました。お爺さんは家や田畑を売ってお金を作り、それを株式市場で増やしました。そして、お金を手に入れたウサギは猟師を雇い、自分も最新の銃を買いました。そして、ウサギは猟師と共にタヌキ狩りに出かけました。ウサギは猟師にタヌキの巣穴を教え、狡猾なタヌキを追い詰める作戦を立てました。


猟師はウサギの指示に従い、タヌキの巣穴に近づきました。

ウサギは猟師を使ってタヌキを追い込み、最後はウサギ自らタヌキの頭に銃口を当て「死んで償え」と言って引き金を引きました。タヌキは頭を撃ち抜かれ、脳漿をまき散らして死んでしまいました。


お爺さんはウサギからタヌキの死にざまを聞いてとても喜びました。

お爺さんは家や田畑を売ってしまいましたが、タヌキに食わされたおばあさんの肉の味を思い出し、すき焼きのお店を開きました。お爺さんの味付けは評判になり、お爺さんのすき焼きのお店は大繁盛しました。かちかち山も泥船も出てこない物語ですが、お爺さんとウサギは仇敵のタヌキを退治して満足な人生を送りました。


お爺さんのすき焼きのお店はすえ長く繁盛し、お爺さんはすき焼きのお店をフランチャイズしてさらに儲けましたとさ。


[おしまい]

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