大変興味深い話で面白かったです。
2000年代初頭ぐらいにラノベを買っていましたが、
あの辺のはもうライト文芸になりそうですね。
自分はゲームが好きで特に任天堂のを好んで買っていますが
あそこは家族や母親に好まれる商売の仕方をしているなあと日頃から感じていました。
特にポケモンやマリオ、スプラは親子や家族で楽しんでるのを
よく表に出してるイメージです。
ああいう商売をラノベ業界が出来るようになれば最高ですが、
とてつもなく難しいでしょうね…
作者からの返信
巻末の年表見れば分かりますよ。実はもうとっくにそうなってるんです。『七姫物語』とかもうライト文芸のレーベルに移動してしまっています。
そう「家族で楽しめるもの」こそラノベの正統進化だったし00年代初頭まで本当にそういう動きだった。でもそういう流れを突如2002年から始まる「萌えブーム」がぶった切るんですよね。ぜひ「ライトノベル年表」をご覧ください。特に2003年の年表が一番面白いと思いますよ。「ライトノベル年表」だけでももう答えは出てるんですよね。
大変勉強になるお話でした、熱弁も相まって読み応えのある考察でしたね。
自分はもうオッサンの領域を通り越してて、なんとなく趣味で書いているんですが、カクヨム始めウケている作品って、作者と中年以降の読者の欲望がダダ洩れで「なんじゃこりゃ」って思うものばっかなんですよね。
世界そのものが主人公の為に在る、みたいなのばっかで世界がとにかく幼稚で狭い。これじゃ世界に夢を見る若者に受けるわけ無いですよねぇ。
個人的にラノベ本はほとんど買ってませんので、あまりえらそうなことは言えた立場ではないですが、確かに今カクヨムで星を多く獲得してる作品を書籍化しても平均ラインに埋もれるのが関の山かもしれません。
まぁそれでも書籍化は一つの夢ではありますね。プロの出版社から認められたらそれだけで嬉しいものです。そんな書き手は多分大勢いるでしょう。
ちょうど今、異世界転生しますか?な物語を書いているので非常に参考になります。ありがとうございました。
作者からの返信
ありがとうございます。異世界転生ブームはもう終わりました。多分ですが正常化するでしょう。その方が出版界にとって良いのです。多分。
編集済
全編拝読させて頂きました。
なるほど確かにと頷ける点も多く、御論考ぜひ多くのラノベ作者様の目に留まればいいなと思った次第です。
惜しむべくは、筆致が若干好戦的だなと感じたところでしょうか。
わかります、これぐらい書かなければラノベ界は救われない、目が覚めないとの使命感に駆られてのことだと推察しますが、文章はより多くの方に読まれてこそかと存じますので、唯一そこだけが残念でした。
ところで、最近近所の書店で平積みされているラノベ(文庫に限る)の半数近くが、純愛ラブストーリーだなという肌感覚があります。
ラムネ瓶、天使様、ロシア語デレ、二番目の彼女、義妹生活……等々。
(悪い意味で)相変わらずな作品も多々あるとは思いますが、これらの作品が台頭していることを考えると、出版業界も(遅まきながら)、いわゆる「なろう系作品」の限界を感じているのではないかと。
ただ、上に挙げた作品群がどうしても「男性読者に向けた物」であることは否めないため、おっしゃるような女性読者の獲得という点において、救世主たり得ないことは重々承知しております。
とは言え、スレイヤーズ!やオーフェンはやはり男性が、じゃぱねすくやマリ見てはやはり女性が主な読者層であったことを考えれば、どちらの読者層も掬い上げるような作品やレーベルの誕生は、あまり現実的ではないのかもしれません。
最後に、メディアワークス文庫などを始めとする、一般文芸レーベルのラノベ化(とは言わないのかもしれませんが)についても、ぜひお考えをお聞かせ願えると幸いです。
ちなみに個人的には、これらも「ラノベ」じゃね?と思っていたりします。
駄文長文大変失礼致しました。
作者からの返信
だってね……。もう「萌え」ってもう20年超もやってるわけだよ。20年以上も進歩が無かったわけ。その間どうなったかといったらみんな児童文学に逃げるってことになったんですよ。いつかラノベは変わるはず……。みんな私も含めてね20年もの間そう思ってたんです。でも結論から言うとこんなに市場額が激減してるのになにもラノベは変わらなかった。もう本当の意味でのラノベを作るノウハウまでここ20年の間で失ったのでしょう。ラノベを読む期間は一般的に中学2年(14)から大学4年(22)までです。一生涯の間で短いんです。でも、変わらない。だからみんなとまでは言わないがかなりの人がラノベ見捨ててしまった。だって読者ターゲットは中年、下手すると初老になったこどもおじさんの団塊ジュニアですからね。当時30代のこどもおじさんが50代のこどもおじさんにターゲットをシフトさせただけ。同じ世代層をターゲットしている以上何も変わらない。そりゃ攻撃的になりますよ。
20年って時は長いよ……。生まれた子供が成人しちゃうくらいにはね。
最後に、ライト文芸はラノベじゃないと思ってます。大衆文学とラノベの間に位置する文芸だと思ってください。「一般文芸レーベルのラノベ化」とはもしかしてライト文芸の事を言ってませんか?あれは読み比べると分かりますがもうちょっと文章のレベル高いですよ。
まさに男子高校生です。
近頃、異世界転生やザマァ系やNTRにうんざりしていました。
筆者さんのおっしゃる通り、もっと、純粋で幸せでどちらかと言えば青臭いような話が増えてくれればと思います。
作者からの返信
やっぱり高校生でもそう思いますか?
90年代のラノベとかライト文芸に逃げた方がいいと思われます。
ライト文芸は一般文芸、つまり大衆文芸の棚にあります。『烏は主を選ばない』とか聞いたことありますか?そういった本にかつてラノベ扱いだった『十二国記』などが置いてあります。そうですねあとは『卵王子カイルロッド』(富士見ファンタジア文庫)などは復刻してほしいですね。あれが本当のラノベだからです。純粋で青臭い。
編集済
らんた氏は書店員の方なのかな?
書店を救う話がしたかったのか、ラノベを救う話がしたかったのか
・だって「限界書店地域」の売上は何で成り立ってます? ~~ 官需と参考書・問題集という学需ですよ。
(商業、エンタメのジャンルで「官需」という言葉が出てくる時点で終わっていると思います。「官需」を当てにした産業の形態が「不健全」としか言いようがありません。)
・カフェ併設タイプ書店はラノベの敵というかラノベ読者層は暗に来るなと言われているに等しい。
(これはもう差別する側の視点を内面化してしまっているだけです。)
・つまりラノベって単に見放されたんじゃない。お客様を敵に回してしまったんだ。こういう時だけ「表現の自由戦士」みたいなの出るだろ? あいつら客だと思う? ~~ 本当の顧客ってどこにいると思う? 子供・学校・親・教師・司書だよ。地方ほどね。
(そもそも地方の古いシステムの方が、どれだけ持続性があるのか、かなり疑問です。 この「お客様」を敵に回さない本をつくったとして、長期的な少子化傾向にはどう対処するのでしょう。
らんた氏は「表現の自由戦士」という言葉を蔑称として使用されているようですが、「表現の自由戦士」の方が見込み客や高単価客も含めてよほど「健全」だと思われます。)
残念ですが児童書市場はここ数年でなんと過去最高額更新です。それは各種の『白書』をご覧になればと思います。
→
白書の話は特に否定していません。
そのデータの解釈が、後半の論の中で、論拠として繋がっていないという話です。
ラノベの市場を食ったという話の論拠にはなりますが、これからそれが続くかが甚だ疑問です、という話です。
「官需」云々の論拠にはなってないです。
作者からの返信
残念ですが児童書市場はここ数年でなんと過去最高額更新です。それは各種の『白書』をご覧になればと思います。そもそも図書は印税と再販制度で全数把握できる商品なのですから。
とても勉強になりました。
サクッとしたものが読んでもらえる。そして、サクサク感の前に奇抜なアイデアとエロ要素があったほうが売れる、と見込んだ先に、いや、それなら漫画の方が良くね?となってしまう。そしてアイスクリームのごとく溶けて消えていく作品たち。。。
小説ならば、他の媒体にはない魅力を出していかないと、結局は衰退してゆくのかもしれないですね。参考にさせていただきます。
作者からの返信
いえ、今の中学生はかなり児童の世界に居てピュアなんですよ。ズバリ、エロなんて求めて無いんです(それならば「なろう系」のコミカライズが売れなければ。打ち切りになるということはなろう系コミカライズも売れてないんです)。拙著で紹介したように読売新聞調査を見れば判る通り今の中学生は小学生と思考・志向が大差ないんです。
そして、今の高校生の女子もズバリ、エロを嫌います。判らないのは遠い昔に中高生だった人だけなんです(高校男子は高校2年あたりからわりとエロを好みます)。
筆者……ここからは邪推ですが「つまり、今の子供は思春期の到来が遅れているのでは?」と思います。
ただ、「小説ならば、他の媒体にはない魅力を出していかないと」というのは本当でたぶんですけど「ステータス、オープン!」みたいなのはたぶんリアルな中高生から嫌われてますよ。「バカじゃね?」って。
ご参考になれば幸いです。
大変勉強になる内容でした。
時々、思い出したように書いている趣味物書き人ですが、本来は「子どもたちに読んで欲しいなぁ」と思っていたのに、いつの間にかポイントを追いかけるようになってしまいました。
作者様のおっしゃる「お客様の敵」になろうと頑張っていたんですね。
反省しきりです。
作者からの返信
例えば「NTR」とか子供は読まない(読みたくない)んですよね。そういうのがもうラノベの書き手側がマヒしちゃったんですよね。たぶん今のラノベ書きが80~90年代に発行されたコバルト文庫とか読んだら仰天するだろうし90年代の電撃文庫とか読んだらたぶん仰天するでしょうね。実は性的描写ってほぼないんですよ(あっても過激にしない)。それが突如2002年頃に「萌え」ブームが始まってからラノベ文化に異変というかダメになってきて王道ファンタジーとか王道学園ラブコメも廃れてしまったんです。
一番仰天する部分は当時だと「SF」ラノベジャンルが普通に生きてたことでしょうね。ロボット系とか宇宙系とか生物系SFに書き手(WEB上の読み手も)が興味を示さなくなったのです。そもそも異世界転生する先ってだいたい中世風世界じゃないですか。完璧に書き手が過去を向いてる証拠なんですよね。なぜ未来に転生して「未来は明るい」とか書けないのでしょうね。
だからもう20年ずっとラノベって子供・親・教師・学校を敵に回してしまいましたよね。
そしてこの20年というのがポイントで評価する側も評価される側も「オタク」文化にどっぷり漬かってるせいで一般読者層が見えなくなってしまったというのがおそらく真相なんでしょう。
だから従来居たラノベ読者層は児童文学やライト文芸に逃げた……。それが真相なんでしょうね。
山田さんの所から来ました。
90年代後半に中学生でした。
スレイヤーズに大いにハマりました。
女子も男子も読んでましたね。
高校に入って、ラノベより一般書籍(宮部みゆき、司馬遼太郎など)のほうが面白くなってラノベから離れました。
大学に入ると音楽活動を初めて、本から離れました。
スマホを持つようになってまた、漫画を読み始めたという世代です。
つまり、おっしゃる通り漫画は電子ですね。
しかし。
中高時代、ラノベにせよ一般書籍にせよ、すべて図書館のお世話になっていました。
いや、幼稚園・小学生からずっと、かな。
Web作家はユーチューバーのように「広告収入モデル」に移行するのかな?
私はブログの広告収入でちまちま、小銭を稼いでいたことがありますが、
アルファポリスのほうが稼げるかな、くらいでした。
ちなみに食うための職は、アフィリエイト系サイトを複数運営するWebメディアの編集者です。
つまり広い意味での広告収入。
すごい売り上げですよ。企業なので当然ですが。
物を買わずにシェアする時代だし、本という形あるものを買って本棚に並べる時代が終わりに差し掛かっているのかもしれません。
音楽や映画はずいぶん前からサブスクだし。
車すらカーシェアリングとか言われてるし。
なんて思いながら読んでいました。
作者からの返信
「広告収入モデル」……。どうなんでしょう。ラノベの市場規模ではたぶん成り立たない気がします。※個人的感想です。
編集済
非エンタメ分野ながらメディア業界で生きている者です。まさにご指摘の通りだと思います。メディア界を取り巻く環境も、表に出にくいところでわずか数年前の2010年代後半から一気に激変の様相を見せています。コミケですら申込サークル数の減少に歯止めがかからず、(数年前から理由もなくデータ非公開となっていますが)今の申込数は参加サークル数と落選率の噂から推測するとこれもわずか10年ほどで半分になっているはずです。
テーマとされたラノベも含め、これらすべての変化は「世代交代」が表面化してきたということなのだろうと思います。
ラノベでいえば「萌え」という言葉に名を借りたその実「エロまみれ」としたいまの中高年世代、第二次ベビーブーマーを核とするいわゆる「氷河期世代」が、自らの世代ボリュームの巨大さにあぐらをかき、後の世代のことも眼中になく、「こどおじ」として自分たちの欲望をただ満たすことにいそしんできた結果、それらの受け皿となったジャンルや媒体、イベントなど全体がまるごと、後の世代から見放される結末を引き起こしつつあるな…と感じているところでした。
アプレゲールしかり、太陽族しかり、GSブームしかり、また漫画でいえば劇画ブームしかり、かつてであれば10年もすれば同等もしくはより大きなボリュームの次世代層に圧倒され、「もう若くはない。もう俺たちの時代ではない」と自覚できたでしょうし、あとの世代にも受け入れられる形に変容できたのでしょうが。
若い世代から見放されているのに、いまだ若いつもりでメインストリームを気取っているわれわれ中高年世代はいま、急速に老害化しつつあります。自分たちが老害化するだけなら勝手にしろというところですが、文化そのものを道連れにする無責任さぐらいはせめて自覚しなくてはならないと思っています。
追記:ご返信ありがとうございます。氷河期世代が受けた仕打ちの大きさは私自身も身にしみて感じておりますが、だからといっていつまでも席を独り占めして後の世代に譲らないということにはならないとも思っております。消費者も作り手(編集者)も、すでに時代の流れから立ち後れている自覚はやはり必要ですね。
コンテンツとして50年余の長さを持つ「ルパン三世」シリーズについて、「アニメの市民権が確立した今、もう子ども向け劇場版を作る必要ないじゃん。大人(=俺たち)向けだけ作ればいい」というアニオタ氏がいたことを思い出しました。
トムスは彼のような熱烈中高年オタの言い分を鵜呑みにせず、彼ら受けのよいテレビシリーズだけではなく、子ども向けの劇場版も作りつづけることで、全世代に絶えずルパン視聴層を醸成し、コンテンツ生命を維持するのだという強い意図が感じられます。出版社も本来はかくあるべきなのですが。
作者からの返信
だってコミケってもう性的に過激だもん。あれはもう僕たちのコミケじゃないっすよ。
老害か……。本当はね、受験戦争で勝ち抜いてきたはずの高頭脳世代なのだから何か新しいサービス、新しい産業、もっと過激なことを言えば日本を見捨て出稼ぎあっせん会社を作ればよかった。でも現実的には正社員だろうが非正規社員だろうが「お客様」にしかなれず何も作り出すことは出来ず、誰一人有名財界人すら出せずオワコンになってしまった世代、それが団塊ジュニア世代かなって思ってるの。その知識を応用することすら出来なかった。
それどころか非正規社員同士で首を絞めあって奴隷の鎖自慢をした。それが団塊ジュニア。生涯離婚率35%・生涯未婚率25%という過半数がまともに家族も作れなかった世代。それが団塊ジュニア。
特に団塊ジュニアオタクはプログラム言語と親和性があったのに例えば「ソフ開」持ってる人は自動的に情報教員免許取得という形でプログラマーを大量生産したりなんていう政治的請願すら起こせなかった。なすがまま50代まで失われた30年を生きて来た。
文化もそう。消費するだけで何一つ新しい文化は何一つ作れなかった。
せめて「引退」という自覚を持ってほしいのは事実。