第32話 間話 勇者達
間話
「なぁ、俺達戻ってこれたのはいいけど病気だったんだな?」
冬夜が僕の病室でそういう時は決まってあの人の話題になる。
「そうだね。それも三人とも一緒の病院」
ここには明那もいる。
「僕達の病気が治ったのは神様のおかげかな?」
僕はそう思わないけど。
「いや、絶対春さんのおかげだよ」
「そうだね」
僕達は日本に戻って来た。
三人とも病気でいつ死んでもおかしくない状態だったらしいけど、帰って来たら治ってるので、病院では大騒ぎになってしまった。
「今頃春さんどうしてるかな?」
「レーナさんにアーンされてるよ」
「「ありえる!」」
笑い合いながら喋ってるけど、今日までなんだよな。明日には退院だからね。
三人とも離れ離れになるけどスマホがあるし連絡は取り合えるから。
「魔法使えなくなったのが悲しい」
「いいじゃん、この革の財布は神様の贈り物かな?」
「マジックバックじゃなくなってるけどね」
「何にも入ってないし」
三人とも気づいた時にはこれを握りしめてたみたいだった。
「大学行く?」
「俺は行くつもり」
「へぇ?なんで?」
「…やっぱり頑張らないといけない気がしてさ」
冬夜はどうやら大学に行くらしい。僕もだけど。
「まぁ、私も行くつもりだけどね」
「あはは、やっぱりか、三人とも考えることは一緒か」
「春さんにまた会えるかな?」
「いつか会いたいな」
「賢者だからいつか日本に来てくれるさ」
「そしたら案内してやろうぜ」
「だね!って、年上だった」
「春さん子供っぽいからすぐ年上だって忘れちゃう」
「まぁいつかまた」
「そうだな」
「いつかまたね」
書庫の管理人〜俺は賢者じゃない〜 あに @sanzo
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