しくじり異世界先生【１話完結、１分程度で読める短編集】

１８ ステータス

「どこ、ここ？」

気付いたらオレは森林の中で立っていた。

つい先さっきまでゲームしてたんだけど。

夢か？

いや夢じゃない。これは現実だ。

♪バタバタバタ

突然オレの顔を虫が横切った。

「うわー」

ビックリして手で払いのけると。

♪ピコン

「なにこれ？」

目の前にコンソール画面が現れた。

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【氏名】　　今井　英二

【種族】　　人間

【年齢】　　１８

【レベル】　９９

【ＨＰ】　　９９９９９９

【ＭＰ】　　９９９９９９

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アニメで見たことある。ステータスってやつだ。

もしかして、ここは異世界なのか。

そうだ。間違いない。

レベル９９って、オレ最強じゃねぇの。

ＨＰとＭＰがＭＡＸだ。すげぇ。

♪ガルル～

獣の鳴き声？

声の主へと振り向くと目が合ってしまった。

オレを襲う気マンマンのようだ。

牛よりでかいイノシシのような獣である。

オレは、ニヤリと笑みを浮かべる。

こいつで実力を確認してみるか。

手の平を猛獣に向ける。

どうやって魔法を使うんだ？

焦るなＨＰはたんまりある。

来た来た！

「ファイアーボール」

・・・

何も起こらない。ダメかぁ！

猛獣との距離は既に１ｍ。もう逃げられない。

レベル９９だ。素手でも倒せるはず。

「あぁ～」

思いっきり猛獣の顔面に拳を叩きこむ。

と同時にオレはタックルされ３ｍほど飛ばされることに。

拳が当たった場所が良かったのか、それとも興味を失ったのか

猛獣はそのまま走り去ってしまった。

クッソ、逃したか。

想像では奴を３０ｍ後ろの壁面に激突させるつもりだったが。

しかし全身が痛い。手足がスリ傷だらけだ。

勝手に治癒しないのか？

本当にオレはレベル９９なのか？

スタータスを再確認する。

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【氏名】　　今井　英二

【種族】　　人間

【年齢】　　１８

【レベル】　９９

【ＨＰ】　　２６５０００

【ＭＰ】　　４９７８００

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はい？

たかがタックルされただけでＨＰが半分以上消耗してる。

どういうこと？

あ！コンソールの片隅にマニュアル発見。

なになに。

ＨＰはハッピーポイントで、ＭＰはモチベーションポイント。

なるほど「幸福度」と「やる気度」ってことか。

「なんだそれ！」

ーーー 完 ーーー