八月の青い海

@6025

第1話

テレビのローカルニュースに、見たことのある家が、映っていた。

その家に住む42歳の女性が、死体が発見され、その14歳になる、長女の行方がわからくなっていると、アナウンサーが言っている。

「翔太、これ、桜井さんの家じゃない」

一緒に見ていた母親が呟くように喋る。

僕はそれには答えず、テレビの画面を見続け

た。

頭の中が少し混乱していた。

確かに画面に、写っている家は、同じクラスの桜井すみれの家だった。

ということは、死体で発見されたのは、桜井の母親で、14歳の長女は桜井のことか。

桜井とは家も近くて、小学生のときも、同じクラスだったこともあるが、特別に仲が良かったわけじゃない。

だが夏休みが始めまる少し前に、帰り道で突然後ろから話しかけられた。

「高橋君」

振り向くと桜井がいた。

今まであまり話したことのない女子から、話し

かけられて少し戸惑った。

「何」

僕が言うと突然。

「お金貸してくれない?」




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

八月の青い海 @6025

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る