第2話
「雪やこんこん 霰やこんこ 降っては降っては ずんずん積る 山も野原も 綿帽子も 枯れ木残らず 花が焦げる」
楽と書かれた番傘が灰と火の粉振る中を軽やかに進む。
喉が焼けるほどの熱風が辺りを漂う。
◇
どこかにある深淵律相談事務所。
その扉に手をかける少女がいた。
◇
「ハルさん、万額を払うので依頼に同行して欲しいという裁判官の方ら三名からの連絡が·····」
「死ね。全部断れ」
少女が扉を開けると、横になっている男"ハル"と電話を持つ少女"ナキ"がいた。
どこか物々しい雰囲気に少女はそっと扉をしめようとした時。
「依頼人さんですか?」ナキが扉を閉めようしていた少女に語りかけた。
◇
とりあえず、席に座ることになった少女の前にナキが座り「えっと、ようこそいらっしゃいました、
「お名前を聞いてもよろしいでしょうか?」
「·····坂上しのぶ」
「しのぶさんですね、では改めて。ようこそいらっしゃいました深淵律相談事務所へ。
わたしは
そしてあちらに寝ているお方が深淵律家の
どこか不安そうな表情をうかべるしのぶはどこか落ち着きがないようにみてとれた。
ただ「この度はどのような要件で来られましたか?」ナキは優しく語りかけた。
.
.
.
.
.
「あの、深淵律って·····除霊みたいなものなんですか」
「そうですね、説明は複雑ですが·····簡単に言うと年々増え続けている霊による犯罪を防ぐための·····」
「なんか胡散臭い·····」
ナキはそう言われ、少し困った表情をしどう説明すればいいか考え込む。
「クソうぜぇ。信用するもしないも勝手にしろ·····」聞いていたハルが冷たく言う。
驚き、オロオロと(あ、ちゃんと説明しないと....)ナキは心の中で思う。
しのぶは椅子から立ち上がり、「帰ります」そう言い出ていった。
「こう·····もう少し言葉を優しくしないと、いけませんよ?」
「クソうぜぇ...極上じゃねえ依頼なんか欲しくねぇ...死ね!」ハルはそう言いまた寝てしまった。
溜息をつき、外に出ていったしのぶの後をナキは窓から眺めた。
深淵律相談事務所 貝豆 @kLonOoo
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。深淵律相談事務所の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます