深淵律相談事務所
貝豆
第1話
どこかの、終電の電車内。
人はまばら。
疲れ果て眠る者、本を読む者、携帯を触る者様々な人達がまばらに座っている。
外は暗く、静かな車内、響くはガタンゴトンと車輪音。
◇
終点まであと·····三駅。
残った人数は四名ほど、列車は次の駅へ向けてまた走り出す。
カンカンと踏切の音と赤い光が通り過ぎる度に窓から漏れ出る。
列車は着実に·····終点へと走り続ける。
◇
終点まであと二駅。
残った人数は残り2人。
1人はサラリーマンと男性(寝ている)、1人は学生(携帯を触っている)。
電車は都会から離れ、外の暗い景色にはポツポツと家と田畑が薄らと見て取れる。
◇
終点まであと一駅。
残ったのは学生、彼女が乗る車内には彼女以外にはもう残っていない。
前の駅と終点の駅は少し遠いい、学生はウトウトと寝かけている。
そんな学生の足元から白い手が彼女の足を掴もうと手を伸ばしている
その白いては学生をとりこもうとする。
彼女は息を荒らげ、悶え、苦しそうに「うううう」と声を出す。
それはもうその白い手の正体は霊とは言えない姿、化け物の姿だった。
「遊ぼう?」「おいでよ?」とその霊は学生をとりこんでいく。
◇
「たとえどんな死に方をしようとも、過去があろうとも人に害を与えてしまったのなら、それは悪だ」
車内に、先程までいなかった黒いコートを羽織った男が座って本を読んでいた。
「最近増えている、車両内の行方不明者。なるほどな、テメェが·····極上だなあ....」
男は本を閉じ立ち上がる、悪霊は邪魔をされることを感じ攻撃をする。
だがその攻撃は男とに当たる手前でバチッと弾かれた。
男は本を開き何かを呟き始める。
──『無断寄生』及び
──『無断霊体化』の罪により。
「邪魔するなあーーー!!」悪霊がもう一度男に攻撃を仕掛けようと襲い掛かる。
──『冥王の晩餐』の刑を下す。
襲いかかろうと向かってくる悪霊の足元に冥王の顔が浮かび上がり、口が開き、その口の中に悪霊は飲み込まれて行った。
冥王の胃袋は地獄に直結している。
あの悪霊が行き着く先は··········。
◇
電車が終点につき、扉が開く。
「極上だ...」男は不敵な笑みを浮かべ電車からおり消えていった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます