11 始まりの夜
「幸花ちゃん、只今、お客さんをお連れしたわ」
広くて天井の高い玄関から羽鳥さんが声をかける。
「お帰りなさーい、あれ、お客さんって時子お姉さんだ。いらっしゃいませ」
大喜びの幸花お嬢様が迎えてくれる。
「今日はね、私のベランダの日本蜜蜂の巣箱とか見ていただこうと思ってね」
「うふふ、うちの1番の自慢の場所ね、見たらきっと驚くわよ。羽鳥さんがここに来るまではがらんとしていたらしいけど、今はお花でいっぱいよ」
幸花ちゃんと別れ、2人で立派な木製の階段を上がって2階に移動する。羽鳥さんはまず部屋に入らず、廊下にある北側の大きな窓のカーテンを開け放つ。
「わあ、すごい眺めだわ」
この北側の大きな窓からはグリーンヒル全体が見渡せるのだ。窓のすぐ下から西にかけて広大な森が広がる。そして、その後ろに西から東へと続く長い緑の丘と、岡の斜面のあちこちから湧き出すせせらぎ、それがここからは一望できるのだ。
「まだ私がここに来る前にノボル君がここから全体を、自然マップ作りのために撮影してくれたの。その時はあなたもいたのかしら」
「ええたぶん。そのあとで場所を区切って木の葉や木の実を集めたような気がします」
「この森に大事件があってこの緑の丘が焼け焦げてなくなりかけたとき、その資料がとても役に立ったそうよ。どんな種類のどんな機がここにあったのかすぐにわかって、それでここまでたった15年で森になってきたのよ」
「そうなんだ。ノボルはちゃんと役に立っていたんですね」
「もちろんよ。彼がこの森を救ったのよ。もちろん親友のあなたも一緒にね」
羽鳥さんはそれから、廊下の南側にある自分の部屋に時子を招き入れると、電気ポットでお湯を沸かし始め、時子を南側の広いベランダに誘った。
そこにはきれいに仕切られたたくさんの台いっぱいに、いくつもの美しい花の鉢が置いてあった。さらに自然の木で作ったニホンミツバチの巣箱がいくつか置いてあり、かわいらしい蜂たちが花の間を飛び回っていた。驚いたのは明らかに蜜蜂とは違う腰のくびれた怖そうなハチもけっこう姿を見かけたことだ。でもそれを聞くと、狩人バチたちは葉を食べる蟲たちを食べてくれるそうだ。もちろんよく慣れていて、人を刺すことは絶対しないという。やがてお湯が沸き、2人で緑の森や咲き誇る花たちを見ながら、特性のハーブティーと、取り立ての蜂蜜を味わいながら午後のお茶だ。蜂蜜は、6角形の巣に入ったままでそのままかじると、とろーり口の中に流れ込んでくる。いろんな花の香りが体にしみわたるような味の蜜だ。
「最高、おいしいわ。あれ、羽鳥さん、この蜜って、駅ビルのt&hっていうお店で売ってる奴ですか?」
「当たり、けっこう売れ行きがよくていい収入源になるわ。でもそのほとんどは家賃代わりに桂岡家に収めてるけどね」
なんとホノカちゃんの店とここが結びついていたなんて…。
お茶を飲み終わると、羽鳥さんは時子と部屋に入り、そしてカーテンを閉めて話し出した。薄暗くなった部屋の中で、羽鳥さんは神秘的なまなざしで時子に静かに言った。
「私は…実は…この地球のものではありません。あの夜にここにやってきて、ここに置いてもらっているんです」
「…」
それから羽鳥さんが語った話は、意外過ぎて別の世界の話のようであった。
「私は地球型の自然の生態系を持つ惑星ファルメリアから来ました。そこの昆虫タイプの知的生命体メルミーの女王クレリアです。あなたがよろしければ、いつでも本当の姿をお見せしますよ」
人類と、アリとハチを合わせたような姿だと言われたがまったく想像できなかった。そうかと言って、まだ本当の姿を見る勇気はなかった。
「事件の発端は15年前の盗難事件です。わが星野宮殿の宝物庫から我々の科学の粋を極めたとても大切なものが盗まれたのです。どうにも防ぎようがありませんでした。宝物庫の内部空間事転送されてしまったのです。女王であった私は緊急事態を宣言し、実質的な女王の仕事を娘に託し、星を離れ、犯人を追いかけました」
「一体誰が?!」
「我々は宇宙警察の助けも借りてすぐに犯人をつきとめましたが、奴は知能が高いだけでなく、相当に用心深く、二重三重に逃亡方法を用意してギリギリで脱出、脱出先を追い続けてたどり着いたのがこの惑星のここ、グリーンヒルでした」
時子は今聞いている話も全部嘘のように聞こえたが、どうもそうではないらしかった。
「あなたを追いかけていたのは宇宙犯罪者、パイルフェイスのホラズマです」
「パイルフェイスのホラズマ?どんな奴なんですか、私が町と自分のうちで見かけた奴かなあ」
「たぶんそうです。でも一応宇宙警察の調査データを確認しておきましよ」
羽鳥さんは先ほどの美しいスマホを取りだすと2人のそばのテーブルの上に置いた。すると2人のすぐ目の前の空中にコンピュータ画面のようなものが現れた。立体画像だ。
そして画面に巨大な熱帯雨林の映像と解説が流れ出した。
ホラズマの正体はジャングルの惑星と呼ばれるダークパールのパイルフェイスと呼ばれる知的生命体である。高度に進化した昆虫人類らしい。熱帯雨林にある暗き森は、高さ90mに達する高度に進化した巨大樹木カノスを中心とする密生したジャングルで、巨大植物カノスは枝の分かれ目に樹上生物がすみやすい洞や台座を持ち、昆虫から爬虫類、軟体動物、鳥類、哺乳類まで実に多様な動物たちの住居となる。またその大きな花や花の蜜、甘い果実、クルミのような種まで色々なものが食料となり、住人たちは1年中飢えることがない…。
やがて画面は日光に鮮やかに輝く、地上70mの木のてっぺんから薄暗い密林の中へとだんだん下に動いていく。
「1番上の第1層の数えきれない巨大な葉が日光の80%を奪い、第2層の美味なる花や果実の層、第3層の多様な寄生植物の層より下っていくと、第4層より下はもうそこは日光の届かぬ暗黒の森と化し、ダークゾーンと呼ばれ、高度に進化したアリやハチを中心とした世界へと変わっていく」
ここから下は暗闇を映す暗視カメラの映像となる。
「アリが数十種類のキノコを栽培する、キノコ農園や、ハチの巨大な巣もこの辺りに多い。また最下層の第8層は5か月の雨季の間水没するので、様々な水生生物も共存している」
突然暗い画面に、巨大なイソギンチャクやクラゲ、深海魚のような奇怪な魚の映像も映る。
「主に第6層を中心に暮らすホラズマはチンパンジーやオランウータンに似た生態的位置を持つ、知的な生命体である。樹上を高速で移動できる身軽な体と光のない世界でも自在に動き回れる特殊能力を持っているらしい。
パイルフェイスは雑食性の知的生物だが、本来は単独で広い縄張りを持つ。だが、同じ惑星の、地上型の昆虫人類、社会性の高いザキリア人と数万年にわたって接触を繰り返すうちに、ザキリアの言語や文化を吸収、独自の文明を作り出すようになる。ザキリア人より格段に高い攻撃力を使ってザキリアの村を襲ったりもしていたが、数百年前からは交易をするようになり、現在では、ザキリア製のコンピュータを使うようになっている…。
そしてついには薄暗い画面にパイルフェイスの姿が暗闇の中に浮かび上がった。
パイルフェイスは、顔に目や鼻がなく、目の部分に太い杭を刺したような特別な形状の感覚器官をもっているのが特徴だが、実際にどんな風にものを見ているのかはまだ解明されていない。4本の長い腕と繊細な指、彫刻のような体節は実に精巧で美しさも感じると言われている。また全身に電機ウナギやデンキナマズのような発電器官が発達しているらしいのだが、何に使われるのかよくわかっていない。詳細は謎に包まれている。
またパイルフェイスは、通称スカルホッパーの異名を持つ、骨のような外見をしているのだが、今回の事件のホラズマは、目撃映像では前進真っ黒でしかも体のあちこちに光や図形が光って流れる発光現象が目撃されている。何らかのスーツを着ているのか、進化した個体なのかはわからない。
「うん、間違いない。私が見たのはこの怪人だわ。でもやっぱり骨みたいな姿ではなく、のぺっとした真っ黒な体だったわ」
「それで、大切なものって何が盗まれたんですか?」
「盗まれたもののうち、とくに大切なものは3つありました。1つ目は、ファルメリアのロイヤルゼリーの製造機エリクサーキューブです。これは老化を押さえる優れた働きがある不老長寿の薬と呼ばれています。ロイヤルゼリーは通常は働きバチの体内で合成されるものですが、この機会は蜂蜜と花粉から合成することができるのです。2つ目はひらめきを生むオクト波動を生み出すオクトクリエイターです。あらゆるものを結び付け、ひらめきを生み、生物の進化を促進させます。3つ目は記憶の書き換えを行うメモリープリズム。もともとは無駄な戦いを避けるため私たちの能力として生まれたものですが、それを半径数十mの広範囲に強化したマシンです。それが3つとも盗まれ、この地球で、この緑ヶ丘の街で悪用されている」
それから羽鳥さんは少し黙って、いよいよ本題にはいってきた…。
「あの日、夜の10時過ぎぐらいでしょうか、ホラズマの乗ってきた高速艇は青く光りながらこの街の上空に現れ、人目を避けるように、ここの西の森の広場へと不時着しました。追いかけてきた宇宙警察の高速艇もほぼ同時にすぐ近くに不時着。ちょうど中学生だったノボル君は光り輝く大きなものがすぐ近くの森の中に降下してくるのに気が付いたんでしょう。あの子供部屋から見てこれは凄いことになったと思って、自分の家の庭に出てきたようです。豊かな自然に恵まれたグリーンヒルに何かあったらたいへんだ、そう思って懐中電灯にもあたりを照らすランタンにもなるキャンプグッズを携えて暗い森へとがんばって進んでいったみたいです。そのころホラズマは、これはもう逃げられないと思って、盗んだ機材を1つのトランクにまとめると、船外に飛び出してきたところでした。私と宇宙刑事ベックはそれに気が付き、ベックも船外に出て銃を持って追いかけました」
宇宙船の船外ライトがトランクを持ったホラズマを闇の中にとらえた。
「ホラズマ、逃げても無駄だ」
「ぐ、もう追いつきやがった。しつこい奴らだ」
だが宇宙刑事の正確な弾丸は背後からホラズマの肩を打ち抜いたかに見えた。ホラズマはひざをついて倒れ、ついに観念したようだった。
「わかった。もう逃げない。トランクの中身はすべて返すから、命だけは助けてくれ」
船の中にいた私も、ひと安心した。だが、ホラズマはトランクの中身を返すから、ファルミリアの女王も出てきてくれと言い出した。すべて確認して返却するというのだ。宇宙刑事は止めたが、私も覚悟を決めて転送装置を使って船の外に出た。しかし、それが奴の計略だったのだ。最初ホラズマは両手を上げて降参のポーズをとって待っていた。だが、奴は腕が4本あるのを忘れていた。突然、トランクを盾に、隠し持っていたハンドガンで反撃するホラズマ。下の右手には小型のハンドガンが握られていたではないか。
「う、ぐぐぐ、卑怯な!」
私はホラズマのまさかの不意打ちで足とわき腹に銃弾を受け、うまく歩けないほどの重傷を負ってしまった。すぐ転送装置で船に戻ったが、倒れるように椅子に崩れ、応急処置ロボによって血は止めてもらったがしばらくは動けなかった。
ホラズマはさらに上の2本の腕にもハンドガンを握り、本格的な戦闘態勢にはいった。
「なんと卑怯な、覚悟しろ!」
激しい銃撃戦が始まった。だがなかなか決着がつかない。
するとベックは銃撃戦が膠着状態になったのを見て、戦闘用小型ドローンの発射ボタンを押す。宇宙船から2つの小型ドローンが発射され、空中からロックオン攻撃であっという間にハンドガンが撃ち落される。だが3本の腕でハンドガン攻撃をすると見せかけ、実はホラズマは4本ある残りの腕の左手を使って、動くひものようなヘビのメカを、近くの草むらにそっと放っていたのだ。
この時の銃撃戦でハンドガンの光やドローンからのプラズマエネルギー弾などの光や音が周囲に広がった。庭に出たノボルは、一体何だろうとフェンスを越え、グリーンヒルの森への小道を歩き出したらしかった。
「ホラズマ、もうお前に銃はない。おとなしく逮捕されるんだ」
「ふふふ、それはどうかな?!」
その時、宇宙刑事の体を這い上がってきた細いひものようなヘビのメカが、一瞬で体をぐるぐる巻きにして刑事の体を縛り上げた。
「うう、な、なんだこれはは…ぐ、動けない…」
さらにヘビが光り、体に電気が流れ、ベックはもがき苦しむ。コントロールを失った戦闘用ドローンは元の場所に帰っていく。するとホラズマは立ち上がり、トランクのふたを開けると、中からオクトクリエイターを1つ取りだした。
「全部で6個あるから1個くらいなくてもいいだろう」
「な、なにをする気だ」
「…知っているぞ。このオクトクリエイターは空間波動エネルギーで動いている。これのスイッチをマックスにして放っておけばオーバーヒートして大爆発するとね」
「な、何をする気だ」
ホラズマは、オクトクリエイターのスイッチをマックスに入れると地面に置いた。そして自分にけがを負わせた宇宙刑事に捨て台詞を残した。
「これでお前とも永遠におさらばだ、じゃあな、あばよ」
オクトクリエイターからは、最初泉が湧き出すような美しい音楽が聞こえてきた。だがその音量が上がり、ずんと響く波動音に変わっていく。同時に赤いランプが点灯し、危険を知らせる。ホラズマは、それを確認すると、転送装置を使ってもう1度宇宙船の中へとトランクごと戻っていった。
そしてすぐに宇宙船は青く光ると、夜空に吸い込まれるように上昇して…消えた。
「女王様、女王様…」
縛られて動けない宇宙刑事から、けがで動けない女王のところに連絡が入る。
「はい、それはうそではありません、数十秒から数分で間違いなく大爆発します。正確な時間はわかりません。ただ、オクト波動が大量に発生したまま放っておくと、オクト波動が、物質化をはじめ、周囲の空間が少しずつまばゆい光に包まれると考えられます。その光が黄色からオレンジに変わったら危険信号、赤になったら大爆発です」
「スイッチを消さなければ、女王様も私も大爆発に巻き込まれて終わりです、何か…何か方法はないですか?」
突然の状況に、なんとか上半身を起こし操縦席のモニター画面を見つめた女王だったが、その時、モニター画面に偶然映り込んだ、ありえない人影に気が付いた。
「誰?地球人の男の子だわ。小型のライトを持っている。なんでこんなところに、このままではあの男の子も危ない」
それは銃声や光をあやしんで見に来たノボルだった。
するとヘビロボットに縛られたままのベックが提案した。
「女王様、このままでは3人とも命がありません。作戦を立てました。指示に従っていただけますか」
「わかったわ、…ええっと…、まず、操縦席の転送帰還ボタンと、自動操縦ボタンを捜すのね。あ、イタタタ、あったわ、ベック見つかったわ。次は…」
次に女王は、モニターの中に移った男の子にテレパシーを送った。
「助けてください、助けてください…。このままではこの緑の森の一帯は大爆発によって大変なことになります…。爆発で吹き飛ぶかもしれません。あなたの力が必要です」
ノボルは最初、心に話しかけてくる存在にどう対応したらいいかわからずきょとんとしていた。ところがその呼びかけの中に、聞き捨てられない言葉があった。
…このままではこの緑の森の一帯は大爆発によって大変なことになります…。
「ちょっと待って、どういうこと?ぼくやタイちゃんの大事な森が大爆発だって?!」
「急いでください、あと数十秒しかありません」
「わかった、どうすればいいの?」
そうやって話している間にもオクトクリエイターの暴走は進んでいた。赤いランプが点滅する機会の周囲2mほどにまばゆく光る仄かな光の球ができ始めていた。
「…わかった。あの光の球の中心に赤いランプが点滅するメタルの機械があって、そのレバーを下まで下げればいいんだね」
かしこい男の子だった。女王の送った機械のイメージをちゃんと理解できた。だが実際にやってみると2つの大きな問題が立ちふさがった。
「うわ、なんだこの光は、頭がグルグルしてくる」
オクト波動自体は人体に無害だが、こんなに多量に浴びるなどと言うことは前例がなかった。何が起こるかまったく予想ができなかった。そしてもう1つ、用心深いホラズマは、もしもけがをした女王などがスイッチを押しに来るかもしれないと、実はもう1匹、相手を縛り上げるヘビメカを、オクトクリエイターのすぐ下に忍ばせておいたのだ。
その時、ベックのつぶやきが聞こえてきた。
「男の子がなんかふらふらしているぞ、作業を急いだほうがいい」
なんとあと3mほどに近づいたノボルの体がオクト波動のせいか、全体にまばゆく光りだしたのだ。
「じゃあ、ノボル君お願い。赤いランプの横にあるレバーを1番下に下げてください」
「はい。な、なんだ、これは?うあああああああ!」
レバーは少しも下げられていなかった。なんとノボルの頭のすぐ上を光の川が流れだしたようにノボルの目には見え始めた。
「なんだこれ、大きな川が1つ、色が違う小さな川がいくつも流れている」
赤ランプのすぐ手前でノボルの動きが一瞬止まった。女王が呼びかける。
「ノボル君、がんばって!森を守るのよ。レバーを下げるのよ」
「了解」
ノボルは自分を取り戻し、オクトクリエイターをついにつかんだ。
「よし」
間違いない、あとはレバーを1番下まで引き下げるだけだ。ところがメカを持ち上げたとたん、ヘビメカが飛び出した。
「うああっ」
地面に落ちるオクトクリエイター、ヘビメカに縛り上げられ、倒れ、のたうつノボル!
「ノボル君がんばって!」
ノボルもあきらめなかった。体をくねらせ、頭をそばに近づけると、今度は口でレバーを下げようと必死の努力だ。だがオクト波動を浴び続けたノボルはさらに光だし、色もオレンジになってきた。そこで宇宙刑事ベルクリスが叫んだ。
「女王様、さっきの2つのボタンを2つとも押してください、押すんだ」
「はい…」
次の瞬間、赤く点滅していたランプが消えた。そしてあたりに静けさが広がった。
成功したのか、それとも…?!
まず宇宙刑事が縛られたまま転送され消えていった。
さらに自動操縦で女王と宇宙刑事を乗せた高速艇がスウーっと上昇し夜空に消えていった。
そして…ノボルを包んでいた光の球が赤くなり、大爆発が起きた。
凄まじい爆風、そして高温の熱風があたりを飲み込み広がった…。
「それがすべてでした。西の森は半分以上が吹き飛び、残りも火事で燃え上がりました。そしてノボル君はそれっきり帰ってこなくなったのです」
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