お盆休み

お盆になると叔母と母がくる

いつもなら嫌いな母だがこの時は嬉しかった

母達が来ると決まって近所のお菓子屋でかき氷を頼む

味は白 白蜜のことだ 私はイチゴ 兄はメロン

平たいおかもちに入れて配達にくるおばさんは「お客に来たん?」と言う

それがいつも面白いと私は思った 縁側で近況報告しながら食べる

熱い身体が冷えていくのがわかる 扇風機やうちわ 蚊取り線香の匂い

たまに吹く風 風鈴の音 夏の風物詩 畳の上で寝ころびいつの間にか寝てしまう

わらの匂い 土の臭いがすると雲行きがおかしくなり大粒の雨が降り

ゴロゴロと音がしてピカ!として光線がひかりズドーンと音が鳴る

地響き稲妻 母達は懐かしいとこれじゃないと田舎に来た気がしないねと話す

雷が過ぎると風が冷たくて涼しさを感じる 今では信じ難い良い環境自然現象

夕方になると夕食の支度はおばあちゃんと母 部屋掃除は叔母 外の掃き掃除は私

それぞれに担当が決まっている いつもやらないのに母達が来るとこうなる

夕方は特に蚊が多くて私はいつも刺されてかきこわしキンカンを塗り痛みに悲鳴を

あげる お風呂もためて沸かし何もかも終わると兄が見計らったように遊びから

帰ってくる 不思議だ いつもいつもそうだ 要領がいいのだ

納得できない私がいる 朝も起きると掃除が始まりそれが終わると朝食

おばあちゃんが作るタマネギの味噌汁は美味しくて最高だ

小さい頃より私は食べるのが遅くて卵かけご飯にしてもご飯が卵を吸ってしまい

なおさら量が増えてしまうような気がしていた ご飯の時間が嫌いだ

掃除をしない朝は近くにある権兵衛山に散歩に行く

夏の朝日を浴びてつゆ草が青い花を咲かせキラリ光っている

私はこの花が好きだ 田んぼ道に咲くちから力強い花だ 田舎に来た母は優しい

草花の事を教えてくれたり遊びもしてくれた 水着に着替えてホースで水をかけたり

スイカ割りしたりして楽しい良い思い出もある

叔母と母が休みが終わり帰る時 私も一緒に帰る 兄はギリギリまで田舎で過ごした

元気に走り回って真っ黒になってとても幸せそうだ。



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曖昧な記憶 彩音ミミ @mimitoro

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