クセがない文章が羨ましくて妬ましい件

 クセがない文章が羨ましい。

 読んでて綺麗だなと思ってしまう。

 クセがない文章さえ書ければ、その中に「砂糖」か「毒」を混ぜるだけで、どんなジャンルの文章にも昇華することができる。


 クセが少ないと便利なんだよね。


 文章を書いていると、書き方が分からなくなる。どんな文章を書けばいいのか。その指針がなくなってしまうのだ。それを防ぐためにも、教科書とすべき1冊を手元に置くべき。


 自分が好きな作家の作品でいい。

 文章が書けなくなったら読み返す。

 そんな最高の1冊を手に入れるべきだね。


 私の文章は——。


 三人称視点に関して言えば——。

 鴨志田一先生の文章を基盤にしている。

 あの流れるような文章が最高に好きだ。

 スラスラ頭の中に入ってくるし、無駄を削ぎ落とした文体なところが最高にいい。


 他にも様々な作家から「これは使える」と思う要素を盗んで、自分の文章に取り入れている。


 例えば——。


 比喩は秋山瑞人氏と谷川流氏。

 文章構成は松山剛氏。

 言葉遣いは西村賢太氏。


 私史上最も上手く書けた文章は下記の作品である。三人称視点と一人称視点を繰り返したのだが、今でも惚れ惚れする出来だ。

 文章のリズムも字面も、どちらも抜群に優れている。流れるように読める最強の文章。


https://kakuyomu.jp/works/16817330650445408647/episodes/16817330652551267592


 まぁ、是非とも読んでくれると嬉しい。


◇◆◇◆◇◆


Q「上手い文章を書く現代のラノベ作家は誰か?」


 この疑問を呈された場合、私は宇野朴斗氏を強く推す。彼が書いた作品は「七つの魔剣が支配する」の1巻しか読んだことがない。


(最新刊まで購入してるけど、全然読めてない。大変申し訳ないと思ってます(´;ω;`))


 それでも、この作家の素晴らしさが垣間見ることができる。特に第1章の文章構成は抜群に上手い。文章を視覚情報として捉えたときの、字面があまりにも美しいのである。

 それに——。

 キャラクターの造形を書くのが上手すぎる。ラノベ界隈ではトップクラスに上手い。


 解像度が高い文章を書いているのだ。

 かと言って、冗長ではないのである。

 長く書けば情報量が増えるのは当たり前だが、宇野氏が書く文章は短く、的確なのだ。

 だからこそ、読み手の負担にはならない。


Q「一般大衆向けの作家なら誰がいい?」


 東野圭吾氏を推しますね。

 無駄がない文章を書くから、読みやすさが別格。長時間読んでも殆ど疲れませんね。

 ただ、遊び心がないので単調な感じがしちゃいます。その点だけは課題点かも。

 でも、参考になる部分が多い書き手であることは間違いなし。


◇◆◇◆◇◆


Q「読みやすい文章を書く方法ある?」


 文章の長さで読みやすさは変わるね。

 あと、文章のリズム感覚も結構大事。

 文章の長さに関して言えば——。


 1文の長さは40文字以内を目標に。

 最高でも60文字以内に抑えて書くといい。


(厳密な数字で言えば、35文字以内。ただ、±10文字程度は誤差なのであんまり気にしなくていい。とりあえず短く書けばいい)


◇◆◇◆◇◆


Q「読みやすい文章を目指す理由は何?」


 長期間のシリーズ化をした際に読まれ続けるから。難解な文章はシリーズ化に耐えることができない。

 1巻、2巻程度なら読み難くても読むんだけど、それ以上になると読者への負担が大きい。


 入間人間先生の作品がその典型例。

 みーまーや電波女も、最初の数冊まではスラスラ読めたんだけど……。

 途中から一気に読めなくなってしまった。

 ていうか、文章のクセが強すぎる。

 その個性的な文章に魅せられ、憧れていた時期もあったけど……今ではもう読めない。


 安達としまむらはまだ読んでるけどね。


◇◆◇◆◇◆


 そもそも論なんだけど——。


 文章力は最低限あればいいと思ってる。

 勿論、上手い文章を書けた方がいい。

 それは紛れもない事実だけど、上手い文章を書けても自分の作品が伸びるとは限らない。


 私は小説を一種のゲームだと思ってる。

 んで——。

 文章力ってのは、ユーザーの操作性だと。

 ユーザーが快適に楽しめることが前提条件だから、読みやすさ重視の作品を書いてる。


 読みやすい作品さえ書ければ、ユーザーにプレイしてもらうことができる。

 で、彼等が読み続けるか読み続けないかを決めるのは、作品の題材やキャラクターだけになる。

 そうなれば、文章は今のままを貫き通しながら、作品の題材やキャラクターを変えるだけでいいから物凄く楽なのである。

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