心の中の小さなモヒカン
見てくれには何もあらわれていないが、私はパンク好きである。
好きというか、勝手に抱いたイメージに基づいて勝手に共感しているといったほうがいいかもしれない。
だから、これから書くことは間違いだらけであっても、パンクス諸氏においてはご寛恕いただきたい。
反権威主義的なところがある。
これは見栄をクラゲの水分ほどに含んだ表現であって、水分を抜いてみると、単なる天邪鬼のほうが近い。
ただ、その天邪鬼的なところは、多くの場合、権威的なものに向けられる。
私のモヒカンは本当に小さなものだから、面と向かって反抗したりはしない。
面と向かって抵抗したことはあるのだが、まぁ、ろくな結果にならなかった。
考えてみれば、そのようなときにどうすれば良いのかというのは本で読んだことがあった。
それにもかかわらず実践できなかったのは、頭の悪さここに極まれれりである。
「弱者の武器」という考え方がある。概念自体は東南アジア研究で提唱されたものだが、色々な場面で使えるということに気がついたのは本を読んでから随分たってからのことだった。
弱者は面と向かって抵抗できない。しかし、サボったり、ちょろまかしたり、俺バカでーすとへらへらしたりする。
そうすることで自分より強い相手の権威にこっそりと落書きし、彼らの暴力に屈しないようにするのだ。
バカな私ではあるが、さすがに失敗を繰り返すと学ぶことくらいはある。
というわけで、心の中に小さなモヒカンを立てた私は今日も身の回りの理不尽さに落書きをしてまわるのだ。
追記
最近、モヒカン高校生の出てくる小説を読んでいる。どこかノスタルジックでどこか甘酸っぱい。私も実際モヒカンにしていれば、オレンジ色のパンツを拝めたのに。
松下真奈『加速する世界を 半分の歩幅で歩いてみなよ』
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