のらさね
和歌はまったくわからない。
このような洒落めいた表現を用いて恥ずかしいと思うような繊細さは一切もちあわせていない。だからこそ、繊細な芸術も解すことができないのだろう。ただ、私は見栄っ張りだ。和歌がわかるふりをしたくなるときがしばしばある。
そのようなときは万葉調が好きだということにしている。
学部一年のときに、和歌についての概説を聞いて以来、ずっとそうだ。
短い字数に意味を込めようとした時に必要とされた修辞法の数々について聞き、「こりゃわからん、和歌だけに」とあきらめてしまったからだ。下手に現代短歌の話をしてボロが出ても恥ずかしいし、かといって新古今みたいな知っておかないといけないこと山盛りみたいなので沈黙するのも恥ずかしい。だから、万葉調だ。
とはいえ、そのような見栄抜きでも万葉集は素敵だった。
相手の名を知るということが二人の結びつきにつながるというのは、素敵であったし、歌が教養人だけのものでないという点も素敵だった。
「
何か思いを言葉にのせる、古代のなんでもない人々の言葉が今に伝わるのはとてもロマンチックだ。
相聞歌というのはとても素敵だ。
友人たちとつらつらと(といっても注釈書を何冊も置かないと意味もわからないので机の上に本や索引を並べて)読んで、恋について語り合った。
そういえば、友人の一人は恋を研究テーマにしていた。
「私は恋愛の専門家なの」
とふざける君は可愛らしかった。
恋について学べる。
文学部は素敵な学部だ。
進路に迷っている若い男性がいたら、ぜひとも進んで欲しい。
将来は保証しないが、女の子と話すことはできるようにはなる。大学に行かなくても、女の子と話すなんて普通にできるよという陽キャなあなたのところには今晩、私が白タイツを着用して踊りに行く。
追記
私には到底真似できないが、万葉調で作歌されている方もいらっしゃるので、これ幸いとばかりに勝手にリンクを貼る。
すらかき飄乎『萬葉調歌謠 ― かみつよのうた ―』
https://kakuyomu.jp/works/16816452219754923859
数日に一首ずつ楽しませていただいている。私の教養の無さのせいで理解できていないことも多いが、それでも素敵だなと思う。昨日も素敵な歌にあたった。あとで改めるかもという表現もまた素敵だ。エロい、エロエロである(という感想しか書けないのは私の語彙力が貧弱であるためだ)。でも、エロいのよ。
「一夜」
https://kakuyomu.jp/works/16816452219754923859/episodes/16816452220155047833
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