第2話 しょうぶなのである!!
「うーむ、今日はとても良い天気なのであるな!! お天道様も元気いっぱいで、吾輩も嬉しいのである!!」
この国はかんそうちたいと言うらしく、毎日暑くてカラカラなのである!!
でもかんそうちたいのお陰で、お天道様と毎日挨拶ができるし、それに砂遊びもいっぱいできるのである!!
そんな事を考えながら吾輩はいつもの様に、ヒトがいっぱいいる大きな道を歩いていると突然、足吾輩の足が地面とバイバイしたのである!!
「おお!? 吾輩、浮かんでいるのである!!」
どこか身に覚えのある不思議な感覚に驚いていると、吾輩の背後から元気な声が聞こえた。
「ネコさんおはよう!!」
声のした方へ仰け反る形で顔を向けるとそこには、今日の目的の1つの少女が我輩を抱える形で持ち上げていた。先程から感じていたふゆうかんは、この少女からのものであったか!!
「少女よ!! おはようなのである!!」
吾輩は少女の元気なおはように、負けないよう元気な挨拶をした。何やら周りの大きなヒト達は笑っているが、何処かで面白いことでもあったのであろうか?
吾輩ちょっと気になるのである。
「ネコさん、ネコさん!! 今日はアリシアさんのお店のお仕事はお休みなの?」
おお、少女よいい質問であるな。今日の吾輩はししょーから、お暇と言うモノをいただいたのである!!
「そうなのである!!」
吾輩は少女の問いかけに元気に答えると、少女は目をキラキラさせながら嬉しそうに笑った。
うむ、少女が嬉しそうだと吾輩も嬉しいのである。
「お休みってことでいいのかな? じゃあ一緒に遊ぼう!!」
もちろん今回の目的は少女達とあそb…相手をしてあげることなので静かに紳士的にこうていしてあげるのである。
「もちろんなのである」
「なんか急に大人しくなっちゃったけど、もしかして嫌だった......?」
むむ、これはいけないのである!? 少女が悲しそうにしているのである。吾輩は紳士なので頬を舐めて慰めてやらねばならぬ!!
「元気を出すのである。吾輩はちゃんと遊んであげるのである!!」
「わわっ!? ネコさんくすぐったいよ〜!?」
吾輩は少女の頬っぺたをいっぱいペロペロしてあげると、少女は楽しそうに吾輩に抱きついてきた。うーむ、ちょっと苦しいのであるが、ここは我慢の時なのである!!
「もぉ〜くすぐったいって〜!!」
どうやら少女の元気が戻ったみたいなのである。うーむ、少女はどうして悲しそうになったのであろうか? もしかして少女には紳士的に振る舞うのはダメだったのであろうか。
「ネコさんまた静かになってどうしたの?」
おっと、考え込んでしまったのである。少女よ何も問題ないので、頭をフーフーするのは止めるのである。吾輩は食べ物ではないのである。
「少女よ何でもないのである!! さあ、公園へ行くのである!!」
そんな感じで少女と戯れながら運ばれていると、街の中心地にある噴水広場に到着していた。広場には楽しそうに笑うヒトや、日陰でゆっくり本を読んでいるヒトなどの様々なヒトで一杯だった。
「ネコさん着いたよ!」
そういって吾輩は地面に下ろされた。先程までの浮遊感がなくなりいつも通り自らの脚で地面に立つ。うむ、抱えられるのも良いのであるが、やはり地面に立って歩くが一番しっくり来るのである!!
「あっ! ネムやっと来たのか!」
吾輩は地面をフニフニしていると、噴水の近くから元気な声が聞こえてきた。これは少年の声である!!
「げえ!! なんでネコもいるんだよ!」
むむ、吾輩がいてはダメなのであろうか? それはちょっと悲しいのである......
「さっき大通りでネコさんがお散歩してたから、一緒に遊ぼうと思って連れてきたの!!」
「今日は二人で遊ぼうって言ってたじゃんか!!」
「うん虫取りするんでしょ? だったらネコさんも一緒でいいじゃん」
おお、虫取りであるか? そういえば前に少年と勝負したきりまだ決着がついていなかったのである。
「前回の続きを所望するのである!!」
吾輩は少年に向けてせんせんふこくするのである!!
「ほらネコさんも遊びたいって! ねえいいでしょ?」
「うう......わかったよ......」
おお! 吾輩の挑戦を受けるのであるか!!
これは負けられぬ!! ししょーと魔法の練習をする時と同じくらい真剣にやるのである!!
「挑戦を受けていただき感謝なのである!!」
「ネコさんもありがとうだって〜」
「別にお前の為じゃないからな!!仕方なくだ!!」
「もう照れちゃって〜」
「照れてないっ!!」
何か二人で楽しそうにしているのである。
うーむ、虫取りはもう始めて良いのであろうか? いや、まだ二人は話してる最中なので、吾輩だけ行っては卑怯であるな。吾輩は紳士なのでせいせいどうどうと戦うのである!!
「それじゃあ 虫取りに行こ〜!! おおー!!」
「おおーなのである!!」
「お、おおー?」
虫取り勝負の始まりである!! 吾輩は早速駆け出して、木が植えられているところの日陰を探すのである。あそこは虫さんがいっぱい、休んでいるのを見た事があるのである!!
「ネコさんはあそこで探すみたい。ロウはどこで探すの?」
「ふふん。俺はあの草むらで探すぜ。そういうネムはどこで探すんだ? 良かったら俺t」
「ああー蝶々さん発見!! ねえ、見て見て!!」
「きいてよっ!!」
おお、少女はパタパタ虫を捕まえたのである。なかなかやるのであるな!!
あの虫はたまに体をすり抜ける魔法を使うので、捕まえるのが難しいのであるのに。
「吾輩も負けられぬのである!!」
「ネムいま、飛んでる蝶々を捕まえた......?」
少年はなかなか虫を取らないのであるな?
そうしている間に吾輩も虫を捕まえたのである!!
「飛び跳ね虫を捕まえたのである!!」
「おやおや、アリシアさんとこの家猫さん。虫取りですか?」
うむ!? 木の裏から誰か出てきたのである!!
「お久しぶりです。この間お店に来たの覚えていますか?」
うーむ、大きい帽子に変なカゴを持ってる人など、ししょーのお店に来ていたであろうか?
「ああ、もしかしてこの魔法瓶を見れば思い出しますかね?」
大きな帽子の人はカゴの中から、見覚えのある模様の瓶を取り出した。
おお、それは見覚えあるのである!! ししょーの魔導具であるな!? 確か虫を煮るのに使うと、言っていたヒトが買って言ってたのである!!
「思い出したのである!!」
「思い出していただけましたかね?」
「うむ。吾輩ちゃんと思い出したのであるが、帽子のヒトはここで何をしていたのであるか?」
「ここで何をしていたか聞いているのでしょうか? そうですねぇ......簡単に言うと虫を探していました」
「おお、帽子の人も虫取りであるか!! だったらちょっと待ってるのである!!」
吾輩は帽子の人にここで待つように伝えて、少年と少女の所へ急いで向かう。
「少年少女よ!! 虫取り仲間を連れてきたのである!!」
「どうしたのネコさん.....てっ、フォビおじちゃん、どうしてここにいるの!?」
おお、少女の知り合いであったか。これは好都合というやつであるな!!
紳士なネコは魔法が使いたい 萎びた家猫 @syousetuyou100
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