過ぎ去りて
トト
過ぎ去りて
座布団ひとつ収まり眠る子 数は違えど変わらぬ寝顔
その時は悪夢のように辛くとも もう訪れない尊し時間
子のジャージ 巡り巡って旅をして 終着駅は母パジャマ
子は巣立ち 一人静かに見上げれば 暗闇に光る蓄光シール
幼稚園母の手離れ不安顔 今その瞳は先を見つめる
スーパーの子供イベント見るたびに もうできないかと物悲しく思う
ミニアルミ。二段。保温。追加タッパ。 歴史を刻む 弁当箱たち
まだ綺麗 洗濯にまわすも余る湯に 過去の戦場 今は静かに
夏休み大人よりも忙しい 予定を合わす子供の親
夏旅行ムヒを詰める子傍目に見 「ハンカチ」 「ティッシュ」 言うまでもなし
遊園地 選択増える子供たち 選択減少大人たち
テケテケと カルガモみたいについてきた 今その足は母の前ゆく
おもちゃ箱 購入した日の思い出を子は覚えてない親覚えてる
思春期にハズいと拒んだ親の手を 気を付けてねと取って支える
抱きしめた 背中はいつしか母背負う 大きな背中に歳おもう
守るため抱え上げた小さな背 今その背中そっと押し出す
桜舞う 毎年増えてく写真たち その撮り手は今は誰ぞか
インスタの親には見せない表情に 嬉しくもあり寂しくもあり
誕生日家に帰えらぬ我が子には ケーキのスタンプ 「おめでとう!」
成人し子も親にへとなろうとも それでも我が子はずっと愛し子
過ぎ去りて トト @toto_kitakaze
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