第7話 聖女の力



俺の抵抗&アイゼナの援護射撃(?)も失敗し、俺とアイゼナとトーマの3人はマナに大聖堂まで案内された。


中はイメージ通りの教会って感じで、いくつもの長椅子が並んでおり、正面にはルシフェル教が信仰している神ルシフェルの巨大な像が立っていた。


ここに連れてこられた時点で、俺はもう逃げられないということを悟った。今の俺は、この後起きるであろうイベントにどう対応するかだけを考えている。


「さて、ルキヤ様。本日はわたくし、聖女マナが教皇様に変わって、あなたの治療を致します。」


「・・・はい。」


「あなたの右腕は聖なる炎による負傷なので、通常の回復魔法での治療は不可能。故に、わたくしの全力をもって治療を行います。」


「いや、でもその技を使用するには代償が必要なんじゃ...」


俺が敢えてそこに触れるが、それでもマナは笑顔で


「いえいえ、何も問題ありません。ルキヤ様のためならばあのような代償くらい受けてたちます!」


(ひぃ〜ほんとその目やめて!怖いって!)


俺の抵抗を受け止め、カウンターパンチを喰らわせてくるマナ。俺は覚悟を決め、マナの治療を受け入れる。


「それでは始めます。『神に祈りを捧げ奉るささげたてまつる-システム解放リリース-』」


マナは神ルシフェルの像に祈りを捧げ、魔法を唱える。今のマナは黄金の魔力に包まれて、俺の『魔力炉解放ファーネス』と同じようなことが起きている。


降臨アドベント祝福ブレッシング―』


マナがそう唱えると、彼女の頭上に神ルシフェルの像と同じ姿をした神々しい女性が現れ、俺の方に手を向ける。


その直後、俺も金色の光に包まれ、体の芯が熱くなるように感じた。やがてそれは俺の右手に集中し、眩しく輝く。


俺の体が光を失った時には、既に右手の感覚が戻っていた。それは、聖なる傷が完全に癒えたことを証明していた。


まさに、神の祝福。奇跡の御業だ。



___________

《作者コメント》

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