第5話 主人公
「いや〜貴族派の君が平民を助けるなんて驚いたよ。僕も勇者である前に1人の平民だからね。」
驚いている俺をよそにクロエは話を続ける。
「君の噂は聞いているよ。あの『英傑』と『賢者』の弟子で、新しいSSS級ダンジョンから生還した神童ってね。」
「た、たしかにそうだが、それがどうかしたのか?お前は王権派の旗印のはず。何が目的だ」
大丈夫だとは思うが、少しだけ警戒する。
「あんまり警戒しないでよ。今日は様子見だけの予定だったけど、君は想像よりもずっと良い人みたいだから、勧誘しようと思ってね。」
「勧誘だと?」
「そうだよ。ルキヤ・メルギア、僕のパーティーメンバーになってくれないかい?一緒に魔王を倒そう!」
「なっ!?」
想定外の言葉に俺は動揺を隠せない。
(まさか、シナリオの強制力が無理やり俺を友人キャラに戻そうとしてやがるのか?ちっ、ゲーム本編でのルキヤは違ったかもしれねぇが、今の俺は悪役だ。悪が
「お断りだ。いいか?俺は敵だ。お前に力を貸す道理は無い。それに、俺には目的がある。」
(そうだ、俺は絶対にもう1つのSSS級ダンジョンを攻略しなければいけないんだ)
「だから、そっちはお前らで勝手にやってろ」
(だから、
いくら敵と言えども、ゲームでずっと使用していたキャラだ。当然多少の情はある。俺がクロエを完全に嫌いになることはないだろう。
「そっか。まあ、そんな気はしてたけどね。ちなみに、ルキヤ君の目的って聞いてもいいかな?」
どこまでも明るく、クロエは問いかける。
「断る、俺はお前と馴れ合うつもりはない」
俺は冷たく言い放ち、踵を返して教室に入る。
「ええぇ、なんか僕嫌われちゃってない?ま、これから仲良くなれば良いだけだよね〜」
全く、どこまでもポジティブなやつだな。
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《作者コメント》
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