閑話 製作者インタビュー



これは、ルキヤがゲームの世界に転生した半年後の現実世界のお話。






「続いては、今話題のゲームやアニメなどを紹介していく、二次元トピックスのコーナーです!えー今回は、今大人気のゲーム『New World Story』の製作者である、三鷹誠一さんにお越しいただきましたー!よろしくお願いします!」


毎週平日正午から放送されている情報バラエティ番組で、それは取り上げられていた。


「どうも〜よろしくお願いします。」


「この中でこのゲームやったことあるよーって方いますか?」


司会の男性がゲストやレギュラーのメンバーに聞くと、レギュラー出演のお笑い芸人が手を挙げた。


「僕は今でもやってるくらいはまってますよ。リリース初日からやってたんですけど、全ユーザーがとある一つのイベントで詰んで、当時はクソゲーって言われてましたね」


スタジオの反応は様々。思い出したというような仕草をする人、共感するように頷く人、初めて知って驚く人。


「クソゲーって言われてたのに、今では全世界で大人気ですが、転機はなんだったのですか?」



司会の問いにお笑い芸人が答える。


「ちょうど半年くらい前に、とある掲示板である噂が流れてたんですよ。めちゃくちゃ強いキャラがいるって。最初はただの噂だったけど、試した海外の人気実況者さんがそのキャラを使ってクリア出来たことで、その噂はプレイヤー全体に広まって行ったんですよ。いや〜あの時は僕も驚きましたよ、やられたな〜って感じですわ。」


「ふふっ、そういう反応を期待して作ったんで嬉しいです。初期の炎上は覚悟してましたけど、予想よりも酷くなかったのは完全無課金制にしたからですかね。」


製作者の男性が述べると


「あれは賛否両論ありましたが、課金による格差がないって言うのは今の時代とても珍しいので、僕としては全然有りだと思いますね。実際その強いキャラを最初から育成するためにデータリセットする時もあんまり躊躇いはなかったですし。ゲーム自体もシナリオもしっかり作り込まれてますしキャラデザも良い。何よりあの難易度の高さは、ゲーマーの人は喜んでましたよね〜。」


「我々は最高のクソゲーを作るのが目標なので、そう言ってもらえて嬉しいです。でも驚きだったのがその最強キャラ、既に有名ですので名前出しますがルキヤの力がバレるのが予想よりも早かったことですね。恐らく世界最速でクリアした方が流した情報でしょう。」


「それってあの海外の方でしょうか?」


「いいえ、実は最速でクリアした方は日本のユーザーなんですよ。その噂が流れる直前にクリアしたようです。」


「えっ、そうなんですか!?写真とか載っけてくれればもっと信憑性増したのに。」


「それがですね、そのユーザーさんはその日以降ログインしていないんですよ。まぁエンドコンテンツはヒロインの親密度を上げたり定期的にくる新イベントだけでしたから、クリアしたら辞めてしまう人も多いんですよ。」


「なるほど〜。あっ、質問なんですけど!」


「おふたりとも、盛り上がるのは良いんですけど、今生放送中ってこと忘れてませんか?」


質問しようとしたお笑い芸人の男性に司会がツッコミを入れ、スタジオが笑いに包まれる。


「えー時間がなくなってしまったので、最後に三鷹さんから告知があります。」


「はい。遂に、ゲーム『New World Story』の超大型アップデートが決定致しました!」


「おお!遂にですか!」


「完全無料ということもありまして続きを作る予定無かったんですが、ユーザーの皆様からたくさんの要望が届きまして、この度アップデートすることになりました。今回追加されるver.2.0では、新規ストーリーの追加はもちろん、新ヒロインの追加や新マップの追加。そして一番要望が多かった、ルキヤが主人公のシナリオを実装します!」


「まじですか!?」


先程のお笑い芸人さんを含めたスタジオに居るプレイヤーから驚きの声が聞こえる。


「アップデート後にプレイデータをもう一つ作成できるようになるのですが、そちらの方では本編の他に『sideルキヤ』を選ぶことができます。そちらは、登場人物は同じですが全く別の世界線と考えてもらってOKです。しかもストーリーはプレイヤーの選ぶ選択肢によって分岐するので、豊富なエンディングが用意されています。例えば、本編のヒロインとお近づきになったり、主人公と対立したりと、こちらは多くの方に楽しんで貰えるように作りました。」


「一番気になるのは難易度ですが・・・」


「安心してください、って言っていいのか分かりませんが、今回も超高難易度となる予定です。一番の目玉は、新たなSSS級ダンジョン『幻想図書館』の追加です!こちらなんと、本編のラスボスである『魔王城』の魔王よりも難易度が高いんです。PVを用意してあるので、こちらをご覧ください」


スタジオでPVが流れる。




「おぉぉぉ、想像以上に凄いですねあのダンジョン。魔王クラスの化け物があんなに沢山出てきてますし、一番でかいあのドラゴンなんて絶対レベル100超えてますやん!ていうかダンジョンマスターの女の子と最後にルキヤの隣にいた女の子ってめちゃめちゃ似てますけどもしかしてあれって・・・」


お笑い芸人の男性が興奮を抑えきれずに問いかける。


「え〜このダンジョンは元々本編の方で出る予定だったんですけど、あまりにも難易度が高すぎるっていうことでボツになったんですよ。それを今回のsideルキヤで実装することになりました。まぁご指摘があったように、あのドラゴンはレベル100を超えております。そうなるとさすがにクリアはほぼ不可能なので、味方キャラのレベル上限突破機能を実装する予定です。最後に、まぁ皆さん気になったのではないでしょうか。あのダンジョンマスターの少女は、な、サブヒロインとなっております!」




___________

《作者コメント》

更新遅れましたm(*_ _)m

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