第29話 ライトノベルって、なんなの?<3>
上橋菜穂子さんを知ったのは、10年くらい前ににNHKで制作放映された『精霊の守り人』を観てでした。
街にショッピングで出かけると必ず書店に立ち寄り書棚に並ぶ本を眺めていた私ですが、この『精霊の守り人』を観るまで、上橋菜穂子さんという作家さんを存じ上げず。
「日本にも、小中学生向きの児童図書でもなく、かといって剣と魔法と魔王が出てこないファンタジーを書く作家さんがいるんだ」と、テレビを観ながら驚いたものです。
そしてまた、当時の私はピーター・ジャクソン監督の映画『ロード・オブ・ザ・リング』をファンタジーの至高作品と思っていましたので、テレビドラマとして制作された『精霊の守り人』に物足りなさを感じたのも事実です。
今さらながらに思うのですが、当時すでに<カクヨム>があって、そしてそこで私が中華ファンタジー小説を書いていたら、たぶん『精霊の守り人』の感想は違っていたものになっていたことでしょう。
さてさて、カクヨムで中華ファンタジー小説を書き始めて、しばらく経ってのこと。
ファンタジー小説の書き方について、試行錯誤にいろいろな本を買い込んで読んでいて、その中に上橋菜穂子さんの最新作『鹿の王』もありました。
……ということで話はもとに戻りますが、「ばあば、なんかお勧めの本はない?」と孫に聞かれて、白川紺子さんの『後宮の烏』阿部智里さんの『烏に単は似合わない』の次に渡したのが、この『鹿の王』だったわけです。
先日書店で、「『鹿の王』を読めたのであれば、次は同じ作者の『獣の奏者』を読んでみる?」と言ったとき、「この本、図書館で少し読んだ時に面白かったので、欲しいなと思っていた」と孫が言いました。
であれば、なぜそのまま図書館で借りないのかですが、孫は通学電車や休憩時間に読むので、本は文庫本に限るのです。
それにしても高校生の通学カバンの重さ、なんとかなりませんでしょうか。
私が高校生のころの通学鞄は、革の手提げ鞄でした。
重たいとか教材が入りきらないといった記憶はなく。
そして私の子どもたちのころは、その手提げ鞄をわざと押しつぶして、いかにぺったんこに見せるかが流行っていました。
しかしいまの高校生は丈夫で大きいリュックを背負っています。
そしてその重さは半端なく、まるで学校に行くのではなく、毎日登山に行っているような感じです。
話はまたまたもとに戻ります。
書店で『獣の奏者』を手に取った孫は、「『鹿の王』は、今まで読んだ病気治療関係の本では、一番面白かった」と言いました。
それから並べれば1枚の絵となる仕掛けの『獣の奏者』の本のカバーを嬉しそうに撫でていました。
そんな様子の孫を見ていて、私はふと思い出したのです。
最近読んだカクヨムでのエッセイで、「最近の中高校生はライトノベルを読んでいない」と書かれていたことを……。
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