第28話 ライトノベルって、なんなの?<2>
振り返れば、今までの私の人生は恥多いものでした。
たぶん、それは現在も同じだと思います……。(笑)
それもあって、孫の人生はその親たちに任せて、私自身は積極的に関わりたくないとずっと思っていました。
読む本を勧めるなんて、人の思考の嗜好を決める最たるものです。
だから、絶対にしないと決めていました。
それに私は海外翻訳ものの猟奇殺人系の本しか読んでこなかったので、勧めようもないですし。
中学生だったころの孫の本箱には、『ハリーポッター』全巻と東野東吾さんの本がずらっと並んでいて。そして読破したのかどうかわからない母親である長女のお古の小野不由美さんの『十二国記』があって。
「ふうん、いまどきの中学生ってこういうものなのか」と、他人ごとのように思っていました。
「ばあば、なにか面白い本はない?」と言われて、彼女に私から本を与えたのは、たぶん、白川紺子さんの『後宮の烏』全巻が初めてだったと思います。
中華ファンタジー小説を書く参考に買っていた『後宮の烏』でした。
エッセイ『白川紺子さんの『後宮の烏』を、老婆の蘊蓄(うんちく)と思い込みで読み込む』もほぼ書き終えて、本の処分について考えていたところでもあったので。
話は横道に逸れますが、私は本はなるべく書店で買って、読んでその内容を頭の中で整理出来たら、ゴミとして捨てます。
本と雑誌はゴミ屋敷老人のゴミになりやすいので。
本と衣類を捨てる思い切りのよさを手に入れたら、家の中を片づいた状態に保てるようになります。
そして本はゴミとして捨てても、古本屋には売りません。これは印税で暮らしておられる作家という職業への敬意です。
「ばあば、『後宮の烏』、面白かった。ほかにお勧めの本はない?」と孫から聞かされたとき、正直言って「ほんとうに、全巻読んだの?」と私は思ってしまいました。
カクヨムで中華ファンタジー小説を書いていますので、今ごろの若い子が読むものといえば、コミックかライトノベルの転移・転生・恋愛だとの思い込みがありました。
『後宮の烏』の初めのころこそ、後宮恋愛ミステリー小説ですが、後半になると神さまの戦いがメインとなり世界の成り立ちの謎解きの色が濃くなります。
……で、「全部、読んだ」という言葉を信じて、『後宮の烏』全巻の次は、烏つながりで買っていた阿部智里さんの『烏に単は似合わない』1巻。
私はこの本を中華ファンタジー小説だと勘違いしていて、そして読んでもあまり好みではなかったので1巻だけ持っていました。
しかし、孫は私と違って「面白い」と言い、最新刊まで読み進めています。
そしてたぶん、その次が上橋菜穂子さんの『鹿の王』。
これは、海外翻訳ものの猟奇殺人しか読んでこなかった私がカクヨムで初めてライトノベルのファンタジー小説を読み、「では、日本人が書いたライトノベルではない本格的なファンタジー小説とはどういうものなのか?」と考えて買って読んだものです。
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