第16話 そうだ、時代劇小説&ドラマに親しもう!<4>

 

 ネトフリで、時代劇アニメ『BLUE EYE SAMURAI/ブルーアイ・サムライ』を観た。


 時代劇は、最近では本ではあさのあつこさんの『弥勒シリーズ』を読み、TVドラマでは『雲霧仁左衛門』を観たのだが、それ以外ではまったくご無沙汰している。

 

 そもそもテレビの地上波の民放テレビ局では、時代劇なんて皆無だ。


 BSではけっこう時代劇の再放送をしているのだが、これが画質は悪いし、内容は古臭い勧善懲悪のワンパターンで面白くない。


 NHKの今どきふうに味付けした大河ドラマも好きではないし、男女の役割が入れ替わった『大奥』もなんか興味が湧かない。




『そうだ、時代劇小説&ドラマに親しもう!』なんて言いながら、その実、時代劇ドラマに飽いている。


 というか、日本のドラマ全体がつまらない。

 テレビで観るのは、NHKのニュースとBSの旅番組とネトフリという状態だ。




 そのネトフリで、なんとなく観始めたアメリカ制作の時代劇アニメ『BLUE EYE SAMURAI/ブルーアイ・サムライ』が、これがほんと面白かった。


 最近は年齢のせいでTVドラマを観るのにも集中力に欠けるのだけど、『BLUE EYE SAMURAI/ブルーアイ・サムライ』は久しぶりに一気見してしまった。


「時代劇アニメっておもしろい!」と思って、続いて日本制作の『鬼武者』を観たのだけど、こちらは途中で飽きてしまった。


 時代劇だからというのではなく、『BLUE EYE SAMURAI/ブルーアイ・サムライ』そのものがよく出来た時代劇アニメだということなのだろう。




 それにしてもアメリカで制作された時代劇アニメを日本人の老婆が面白いと感じるのだから、時代は変わったと思うしかない。


 こんなところまでグローバル化されて、国とか民族とかの境が曖昧になってきているんだなあと思ってしまう。


 合っているかどうかわからない例えだけど、英国の田舎に住む少々自国民の精神的根源にうるさい英国人老婆が、カズオ・イシグロの『日の名残り』読んで感激したという感じかなあ。




 ……と、アメリカ制作のアニメ『BLUE EYE SAMURAI/ブルーアイ・サムライ』のストーリー展開・表現・作画のすべてが素晴らしかったのと同時に、この年齢でいまだにこういうものに惹かれる自分を久々に再認識して、そちらのほうでも感慨深いものがある。




 ……ということで、いま、北野武監督の最新映画『首』が観たくてたまらない。


 しかしながら、「『アウトレイジ』の戦国版みたいな映画だけど、一緒に観に行く?」と76歳の夫を誘ったら、返事がなかった。(笑) 


 しかたがない、一人で観に行くか……。


 いや、そのまえに、『アウトレイジ』3部作、久々にレンタルビデオ店で借りて観ようかなあ。


 無人島に持っていくビデオは、昔はクリント・イーストウッドの『ダーティー・ハリー』で、その次が『ロードオブザリング』。


 そしていまは『アウトレイジ』3部作です。

 




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