第14話 そうだ、時代劇小説&ドラマに親しもう!<2>
先週で、NHKで放映していた金曜時代劇『雲霧仁左衛門』の6シーズンが終わった。
私は、中井貴一さんの大ファンなので、『雲霧仁左衛門』シリーズはずっと楽しみに視聴している。
余談なのだけど、NHKの『サラメシ』のナレーションも中井貴一さんで、彼の声を聞きたさにこの番組もずっと観ている。
そしてもう1つ余談を言わせてもらえば、私がカクヨムで初めて書いた中華ファンタジー小説『白い髪の少女…』に登場する50歳くらいの荘興さん。
実をいうと、そのモデルは『雲霧仁左衛門』の中井貴一さんだった。
小説のジャンルに二次創作というものがあるけれど、好きな俳優さんやアーティストのイメージを自作小説のモデルにして秘かに楽しむというのも、世の中の憂さを忘れてしまうほどの幸福感だ。
幼い頃に手持ちの人形を全部並べて<人形遊び>に夢中になったことを思い出す。
小説を書くってこの<人形遊び>に似ているなと思い、『雀百まで踊り忘れず』の諺通り、人はずっとおなじようなことに楽しみを見つけ喜びを感じるようにできているのかも知れないとも思う。
そして、そして、もう1つ、余談。
(こうなったら、今回の『そうだ、時代劇小説&ドラマに親しもう!<2>』は余談で終わらせてしまおう!)
私の95歳になる母は、若い時は中井貴一さんのお父さんの佐田啓二さんのファンで、佐田啓二さんが自動車事故で亡くなった時、切り抜いた新聞記事にお線香を焚いて、冥福を祈っていた。
『眠狂四郎』の主演で有名な市川雷蔵さんが亡くなった時も、母は同じことをしていたなあ。
奇しくもお二人とも37歳の若さで亡くなられている。
調べてみたら、母が30代後半から40代前半のことだ。
私がちょうどその年頃のときは、クリント・イーストウッドとデビッド・ボウイに夢中だった。
そういえば、40代半ばの長女はつい最近までBTSに夢中で友人たちと盛り上がっていたようだけど、いまはそういう話はまったくしなくなった。
子育てが終わった30代から40代の女性は、一時的に気持ちがふと青春時代に戻り、非現実に憧れるものらしい。
最近のカクヨムの女性向け小説のコンテストで、「30代女性向け」という読者設定が目立つのも、そういうところを狙っているのかなと思う。
最近、ライトノベルを分析した人の創作論を読ませていただいたのだけど、ライトノベルの読者って、中高校生ではなく、男性も女性も30代が圧倒的に多いのだとか。
とっつきやすい設定と読みやすい文体、そして内容は30代のおじさんおばさんが納得できて楽しめるものというのが、いまどきのライトノベルであるらしい。
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