第2話 お帰りなさいませ、山田さま!<2>



 山田さまの書かれている『目にとまった作品読んでくぞ。三話までな。いろいろ言われても傷つくな。』のように、カクヨムに掲載された小説を取り上げて勝手に書評するというタイプのエッセイは、このカクヨムにもいろいろとあるようです。


「人の書いた小説を辛口で批評するなんて、そんな神経のすり減ることを、私だったら絶対にしない」と思うし、カクヨムで小説を書いている99%以上の人もそう思われているに違いないと想像します。


 しかし、人の顔が千差万別なように人の考え方も千差万別です。


 99%の人がしないことをする残り1%の人の行動は、穏やかな水面に投げ込まれた小石ではないでしょうか。それは静寂を破り刺激を呼び起こし波紋を広げます。


 普通の人間関係においてはなるべくしないほうがよい面倒事ですが、創作関係の世界においては時に必要です。波風の立たない世界からは新しいものは生まれないと思っています。


 しかししかし、辛口の書評を書き続けるというのは至難の業です。これはもう書評を書かれる人の技量・器量・度量に依るところがすべてです。その3拍子揃った山田さまがほんとうに羨ましい。


 ところで、私はなるべくカクヨムで読んだ小説にはレビューを書くようにこころがけています。そして、自分のコメント欄は閉じるという勝手なことをしながら、これはいいと思うエピソードにはコメントも書かせてもらっています。


 もちろん、カクヨムの注意事項を守って、褒め言葉を選んで書いています。人に褒められてモチベーションがあがるというのは当然のことなので、よいシステムだと思います。でも時々、「これを言ってあげたいけれど…」というモヤモヤが心の底に残ることがあるのも事実で……。


 私が山田さまの書評に惹かれるのは、山田さまの文章が私のそういうモヤモヤを吹き飛ばしてくれるからなのだろうと思っています。



 ところで、山田さまの書評を読んでいて、私は以前にカクヨムに在籍しておられたカクヨムの天使さまを思い出しました。カクヨムの天使さまの表現方法が今回の山田さまとよく似ている思ったからです。1つ違うのは、カクヨムの天使さまはご自分でも小説を書いて発表されていたことでしょうか。


 あつかましくも、私も彼に書評をお願いしたことがありました。(笑)


 カクヨムの天使さまはその後、活躍の場所をカクヨムから他のサイトに移されました。その時、私もついていきたかったのですが、そのサイトの彼のページは彼の承認を受けないと覗けないということで、諦めたことをおぼえています。

 複数のサイトの掛け持ちは、私の年齢ではきついです。


 そうそう、あの時私は、「サイトの移行は、もう少し、カクヨムで結果を出してからでも、遅くはないのでは」と彼に言ってしまいましたが。


 カクヨムの天使さまは、今でもあそこで書いておられるのでしょうか。


 意思の強いお人だったと記憶しています。賞をとりプロの作家に絶対になると宣言されていました。いまはどうされているのだろうかと時々思い出します。まさか、いまのペンネームもカクヨムの天使ではないでしょうから、検索で追いかけたくてもできません。




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