終章:幸せを知る時
「天葉はー本当はここが居場所じゃないんだよな?」
笑人は、俺の手を離すと、真っ直ぐな瞳で問う。
そこで俺の心は落ちた。
「俺は、光羽を好きになったー訳ありで」
笑人の表情は変わらない。
「本当はー」
「俺のためだろ…?」笑人が先に話してくれた。
「それもそうだけど、もう1つ。こっちの方が大きい」
笑人の表情は変わらない。
「光羽を苦しませるため」
笑人の表情が、一瞬苦しげに歪んだ。
「ずっと好きだったヤツが、光羽のせいで苦しんでた」
俺は、言うべきことをハッキリと言った。もう隠したくない。
たとえ、それが光羽や笑人を苦しめるとしても。
ー俺にはどうでもいい。
「光羽は、人を苦しめる人じゃない」
「お前らの関係なんて、どうせすぐ終わる」
俺は冷酷な目で笑人を見つめる。
本当は死ぬほど嫌だった。気持ち悪かった。
笑人と光羽の繋がりの深さ。想いの綺麗さ。そして、運命。
なんで「俺たち」の関係邪魔したやつが、こんな恵まれてるんだ。
どこまでも、この世が憎い。
「天葉の好きなやつって…」
「美幸だよ。昔、光羽にたぶらかされた」
「光羽は、たぶらかしてなんかない。お前が人生、上手く行かないのを光羽のせいにしてるだけだろ」
こんな笑人、初めて見た。光羽がそんなに大事かよ。
ーあんなの、光でもなんでもない。
俺は昔から、妙な予知能力があった。
予知するのは、自分の人生に深く関わる人間。
光羽、そしてー美幸。
美幸は、俺を裏切った。
人生が上手くいっている光羽の邪魔をすることが、俺の精一杯の復習。
この2人がどう繋がるかなんて、思い出したくもない。
永遠に恨んでやる。
この悲しみが、いつか君を想う愛になる @trump_magic
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