第5話 打ち上げパーティ(1)
「まあ、よかったじゃん。もしあのままいい展開になってたら、多分君殺されるよ。」
「あわわわわわ。」
私は、突然のイケメンの登場とそのイケメンの立場(帝王)のダブルパンチでまた失神しそうになった。笑笑‥
(ってヤッバイ。リリー!どんなことがあっても逃げちゃダメって昔死ぬほど言われたでしょ!‥あれ?誰に言われたんだっけ?あーもうそんなこと今どうでもいい!こんな時どーすれば‥そうだっ!)
「申し訳ありません。ご無礼をお許しください」
(これしかない(泣))
するとイケメンが何かを堪えたような顔になった。
(おっおこられる‥)
「あはっあはははっそんなに迷ってっくくっどんない言い訳するかと思ったらっっ‥君、面白いね」
「よく、言われます。」
「そか‥w」
「しっ失礼のついでにお聞きしてもよろしいですか?なぜ私の部屋にわざわざいらしたのでしょうか?」
(そうだ。こんなに気さくに話しかけて貰ってるけど一国の王だ。無礼は許されない。)
「あーそうそう。これから俺のための宴があるらしいからお前も体調戻ったんならこいよな!あっお前が新しいメイドだよな。名前なんて言うんだ?」
「リリーでございます。姓はありません。」
ギルバード様の顔が少し曇る。
(私何かしでかした!?)
「リリーか。めっちゃいい名前じゃん。これからよろしくね。じゃあ、おれ先行ってからリリーも後で来いよ」
なんだろう…行って欲しくない、行って欲しくない!…また、1人になんて…嫌だっ!
「まって!置いていかないで!」
「え…?」
「はっ…もっ申し訳ございません。今のはっ」
「どうしたの?リリー?怖い夢でも見た?」
「いっいえ…大丈夫です。少し休んでから行きます。御迷惑をおかけ致しました。」
「…うん、わかった。無理しないでね。」
…
なんで私、止めたりしたんだろ。今日初めてあったお方に…なぜか初めてあった気がしなかった…ちょっと疲れてたのかもっ。仕事は明日からなんだからしっかりしないと!
「ここだよな。置き手紙に書いてあった場所…」
置き手紙の内容は私の身を案じるようなことが書いてありと起きて具合が良ければここに来てくれとも書いてあった。
(この字はマリ姉かな…)
ギィィィ(ドアを開ける)
私に気づいたマリ姉とサナがダッシュでこちらに向かってきた。
「リリー!もう大丈夫なの!?」
「心配したんだからね。」
マリ姉とサナが心配そうに顔を覗いた。
(こんなに心配してくれるなんて…ちょっと嬉しいな…)
「うん!全然大丈夫!寝不足だったみたい。」
(ちょっと嘘だけど。)
「はっ自己管理もできないなんて、だからおらぁ言ったんだ。孤児院のやつなんか城に入れるなって」
「えっあっ…?」
(あの時の初日にあったマリ姉と仲悪そうだった人!)
「ルイ!いい加減になさい!!」
(マリ姉がキレてる…)
「っは…くだらねぇ、おい!ドジっそんな奴と絡む馬鹿だったとは、そのクソみたいなお人好し爆発させてると殺されるぞ…」
吐き捨てるようにそうゆうと不機嫌そうにこの場を去った。
「…くっ。」
サナが何か堪えるように俯き唇を噛んだ。
(あのドジっていうのはサナのことだったのかな。)
「あのっサナっさ」
私が言い終わる前にサナは口をひらいた。
「ごめんねぇ、さっきの男、シャファンは昔色々あってっ孤児院の子に当たりきついんだよねぇ」
(そう、なのか…サナとシャファンの間には何かあるっぽいけど詮索するのは良くないよな。)
「…全然。確かに自己管理ができていないのは本当だし、私もまだまだってことだよね!…さて、今日はパーティのようだけど、私の仕事ってなにかな!」
倒れたせいでこのパーティでの仕事内容を聞きそびれてしまっていたのだ。会場に行きがてらサナの話を聞いた。
「あ〜。今回の仕事はほぼないよ!今日はここに働いている人と陛下だけが参加するパーティ。まぁ正確には打ち上げみたいなものだよぉ。貴族がやるようなシャララーン!って感じじゃない。多分今頃みんなドレスに着替えてるよ。ドレスって言っても自分で縫ったやつ。ドレスなんて買うお金ないから。リリーのは私の貸してあげるよ!」
サナが嬉しそうに説明してくれた。
(なるほど…そんなものがあるのか… 不思議だなぁ )
「サナ、ありがとう。じゃあ今日は沢山楽しもうね!!」
「じゃあ、そろそろ着替えに行きましょうか。」
マリ姉はそういうと更衣室の方に歩いて行った。
「リリー、ドレス渡すね!」
(ドレス…!!初めて着る。ていうかドレス自作とかすごいな。)
「はい、これ。ドレスの着方わかる?」
(これがサナが作ったドレス!?…すごすぎる!まるで妖精が着る服みたい。)
綺麗…スカートの丈は膝下ぐらいで肩が出ている、ベースがピンクで出来ている服だった。フリルは少なめで使ってる生地も装飾も少ない…なのに凄い豪華に感じる。
「ありがとう!サナ!初めて着るドレスがサナので良かった。」
記憶無しの転生メイド @huru0502
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。記憶無しの転生メイドの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます